June 2021

Exclusive Interview: JOSH BROLIN
HOPE FLOATS

俳優ジョシュ・ブローリン:宙を舞う希望

text tom chamberlin
photography kathryn boyd brolin

『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018年)のサノス役。

 同作を通じて、俳優のアンソニー・ザーブと知り合った。ザーブはブローリンに目をかけ、演劇の世界へと導いた。

「あのときから、演技は僕にとって特別なものになった。非常に複雑な登場人物を舞台の上で演じることができたからね」

 8年にわたり映画出演を休み、主として舞台に立つことで、ブローリンは自身の才能を開花させた。自制心と集中力に優れていた彼は一躍売れっ子になった。

 2000年代、ブローリンは『インビジブル』(2000年)、『メリンダとメリンダ』(2004年)、『プラネット・テラー in グラインドハウス』(2007年)といった映画に出演して頭角を現し、存在感を発揮する。だが、本当の意味で彼を世間に知らしめた作品は、『ノーカントリー』(2007年)である。これは彼がコーエン兄弟監督とタッグを組んだ第1弾でもあった。サミュエル・L・ジャクソンとクエンティン・タランティーノ、ウィレム・デフォーとウェス・アンダーソン、トム・ハンクスとスピルバーグのように、卓越した俳優と監督はしばしば互いを見いだし、素晴らしい相棒関係を築くものだ。ブローリンとコーエン兄弟の関係は、ややぎこちない形で始まった。

『ボーダーライン』(2015年)。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 39
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