June 2021

Exclusive Interview: JOSH BROLIN
HOPE FLOATS

俳優ジョシュ・ブローリン:宙を舞う希望

text tom chamberlin
photography kathryn boyd brolin

80年代冒険映画の金字塔でデビュー 17歳になったブローリンは、今でもカルト的人気を誇る名作『グーニーズ』(1985年)で、主人公マイキーの兄を演じて映画デビューを果たす。宝探しをする子どもたちを描いたこの作品は、80年代に台頭したファミリー向け映画のひとつで、監督はリチャード・ドナーだった。スティーヴン・スピルバーグも製作に関わっており、毎日撮影現場に来ては場の空気を軽くしていたという。例えば、子役に手を焼いていたドナーが撮影を終えてハワイの自宅へ戻ると言うと、スピルバーグは子役全員を飛行機でドナーの自宅へ送り、彼の帰りを待ち構えたりさせた。

「僕らが彼の自宅へ行って服をそこらに脱ぎ散らかしているなんて、彼はまったく知る由もなかった(笑)。その夜はアリス・クーパーもやって来て、皆でディナーをともにしたよ。最高の体験をさせてもらって楽しかった。映画の撮影はどれもこんな風にアットホームな雰囲気なんだと思った」

 だがもちろん、人生というのはそうスムーズに行かないものだ。『グーニーズ』の後、ブローリンは『21ジャンプストリート』(1987〜90年)というテレビの新番組で主人公役の最終候補のひとりに選ばれた。もうひとりの候補は、友人のジョニー・デップだった。しかし結局、役を手にしたのはデップで、ブローリンは1話のみカメオ出演することになった。

「当時はバツが悪かったよ。主役から落ちた作品にカメオ出演するんだから。でも、思えば大したことじゃなかった。若者が働いてきちんと自立していたんだから」

THE RAKE JAPAN EDITION issue 39
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