June 2021

Exclusive Interview: JOSH BROLIN
HOPE FLOATS

俳優ジョシュ・ブローリン:宙を舞う希望

text tom chamberlin
photography kathryn boyd brolin

『グーニーズ』(1985年)でデビュー。

 18歳のときに、冒険への渇望と青春を無駄にしたくないという気持ちが相まって、6カ月間、ヨーロッパを旅した。

「視野がぐんと広がったよ。人々と出会い、いろんな女性とベッドをともにし、本物の青春を過ごした。本もたくさん読んだしね。フィレンツェでフランス人の女の子のテントにいた頃、『ミケランジェロの生涯: 苦悩と歓喜』を読んだのを覚えてる。彼女は夜になるとどこかの男とバイクで出かけた。僕は日中、そんな彼女と寝ながら、人生こんな素晴らしいことがあるなんて信じられないと思ったものさ。僕にとっては演技こそが打ち込めるもので、その生き方が自分にとって面白いと気づいたんだ。それは今も変わらない」

コーエン兄弟作品の常連に ブローリンのキャラクターを物語る初期の代表作といえば、ジェームズ・バトラー・“ワイルド・ビル”・ヒコックを演じたテレビシリーズ『ヤングライダーズ』(1989 〜92年)という西部劇だ。

「当初は、『The Kid』という作品名だった。僕はワイルド・ビル役のオーディションを受けたんだ。面白くて多面的な役だから。彼らは、“主役のキッド役を任せたい、ギャラは6倍だ”と言ってきた。でも僕は主役を断ってワイルド・ビル役を志願したんだ。みんな首をひねったよ。最終的に作品名は『ヤングライダーズ』に変わり、3年間出演した」

『ヘイル、シーザー!』(2016年)。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 39
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