BUDD, KING OF SHEARS
シャツ作りの王、バド
May 2020
私の身長を考慮すると、トーマス メイソンのアルビニデニム生地を6フィート(約183センチ)ほど使うことになる。「問題は、デニム地がプレウォッシュ加工されているので、2メートル丈で販売されていることですね。少し無駄が出ますし、長身の男性にお仕立てする場合は生地をきっちり使う必要があります」とティアナン氏。
少し慣れが必要なのは、胸と背中を囲むように施されたステッチだ。今まで見たことのない形である。このディテールは、シャツのリラックス感を演出するのに役立つ。
相棒はリネンのサファリシャツ このデニムシャツの相棒となる2枚目は、W・ビル社のタバコブラウンのスーツ用リネンで仕立てたサファリシャツだ。スーツ用リネンは通常より重みがあり、かっちりした構築感が必要なため、若干きめが粗い場合がある。おまけにリネンは、しわになりやすいのが悩みの種だ。だがこの生地は違う。手触りは柔らかいというより滑らかで、着心地のよさを損なうことなく気品ある構築感を保っている。
私が初めて誂えたこのサファリシャツは、よくできたビスポーク服が持つ効果を発揮した。つまり、あと10着欲しくなったのだ。このシャツの最も顕著な特徴はポケットだ。ボックスプリーツを施されたポケットは、ミリタリー風のフラップを備えている。さらに、ダビドフ・オブ・ロンドンが提供してくれたダミーを使い、寸法を正確に合わせることで、ペンスロットがシガースロットに作り変えられている。
本記事は2020年3月25日発売号にて掲載されたものです。
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THE RAKE JAPAN EDITION issue 33