Sunday, May 3rd, 2020

BUDD, KING OF SHEARS

シャツ作りの王、バド

1世紀以上にわたって栄えてきたバドは、クラシックな英国式テーラーリングの代名詞だ。
今回THE RAKEは、重ね着を想定した2枚のシャツを仕立ててほしいという難易度の高いオーダーをリクエストしてみた。
text tom chamberlin photography kim lang
issue10

 バドがロンドンのピカデリー・アーケードで現在と同じ場所に店を開いたのは、まだオスマン帝国がヨーロッパの領土を統治しており、タイタニック号が沈没しておらず、ステンレス鋼が発明されていなかった1910年のことだ(ちなみに、そんな時代があったとは信じられないかもしれないが、1910年にはクロスワードパズルすら登場していなかった)。

 バドの店には典型的な英国式店舗の特徴がそっくり残っている。がたつく階段があり、戸口に配置されたペンキ塗装の柱は、大戦以降ほとんど塗り直されていない。店舗がある階には、あらゆる色やスタイルのシャツが、棚に高く積み上げられている。階段を上るとカッティングルームがあり、職人たちが狭いスペースで作業している。

 昔から英国ブランドと紳士らしい装いは同義であり、バドもまた、開店から10年も経たないうちに大西洋の向こうで崇拝の対象となっていた。その証拠に、ジョージ・ガーシュウィンは自身の歌『The Best of Everything(“あらゆる最高級品”の意)』でバドに言及し、「私が選ぶ自動車はロールス・ロイス、帽子を買うならステットソン、クラバットならバド」という歌詞をしたためた。

 これは、ジェイ・Zが『Mr. ナイス・ウォッチ』でオーデマ ピゲに言及し、「俺のオーデマに血を付けるな」と歌ったのと同じようなものだ。

issue10

日本でバドのシャツが買える日本では入手困難なバドのシャツは、The Rake.comの通販で購入することができる。日本への発送も可能だ。
左:ブルーのロイヤルオックスフォードのシャツ$125 
右:柔らかなブラッシュド・コットン製、ブルーのマイクロチェック・シャツ$160
both by Budd Shirtmakers at The Rake

本記事は2020年3月25日発売号にて掲載されたものです。
価格等が変更になっている場合がございます。あらかじめご了承ください。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 33

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