共演で取り戻した“親子”

ストリッパーのアマンダ・ライスとドナルド＆キーファー親子（1991年）

　その後91年には、ジュリア・ロバーツとは嵐のようなロマンスの末、婚約をしていたが、式の3日前に突然終わりを迎えた。結婚を目前にしながら、キーファーがアマンダ・ライスというストリッパーと浮気していたことが原因と言われている。さらにその後は、飲酒運転で繰り返し逮捕されている。逮捕されたその日付は、彼の両腕にタトゥーとしてずらりと並んでいる。

『24』の成功と訪れたタイミング　荒れた私生活の一方、キーファーは『24』のジャック・バウアー役のおかげで、売れっ子としての地位を保ち続けた。彼にオファーしたのは、シーズン1を手がけたスティーヴン・ホプキンス監督だ。このときのキーファーは、この役に対して献身的だったとは言い難い。

「“独創的で風変わりな作品だから、単発で終わるに違いない。でもギャラはありがたいし、どうせ誰も見ないのなら”と思っていたね」

　その予想は大外れだった。8シーズンにわたる192話が誕生した上、映画や後日談まで制作されたのだ。

　キーファーが内外の敵を容赦なく打ちのめしていた一方で、父はフランス系カナダ人女優、フランシーヌ・ラセットとの3度目の結婚で幸せに浸っていた。俳優としては、『評決のとき』、『スペース カウボーイ』、『コールド マウンテン』といった作品で、存在感のある脇役として活躍した。ドナルドは数年前に、「台本で自分の役を見てみると、決まって死ぬような年齢になった。登場したとたん、心臓発作を起こしているという具合さ」と語っている。