Wednesday, July 20th, 2016

RESORTING TO COLOUR
蘇るリゾートウェア

ジェット族が世界を飛び回った時代のリゾートウェアがもっていた
独特の優雅さが息を吹き返している。今、リゾートウェアに
かつてないほどの多様性、選択肢、革新性が戻ってきているのだ。
text charlie thomas photography jake walters fashion direction jo grzeszczuk

 リゾートウェア誕生の地は、おそらくヨーロッパで間違いないだろう。戦間期の富裕層が旅を楽しみ、陽光にあふれた休暇を求めてイギリスからフランスやイタリアへ向かったことが背景にある。しかし、リゾートウェアという言葉が広まったのは、ジェット族が各地を飛び回った1950年代後期~ 60年代のことだった。
 当時のビーチは粋な装いで賑わっていたと指摘するリゾートウェア大手のオルレバー・ブラウンの創始者はこう語る。
「リゾートウェアの歴史の中で、興味深い変化が表れたのは、人々がポジターノや南フランスへ赴いた50年代です。当時のリゾートウェアには、気楽な格好という印象がかなりありましたが、実は随所にテーラードの要素がちりばめられていました。とても創意に富んでいたのです」
 しかし、当時のリゾートウェアの優雅さは、ブリーフ型水着やだぶだぶのTシャツが流行した70年代、そしてボードショーツやサーフィン文化が全盛を誇った80~90年代に失われることとなる。ところが今、その失われた優雅さを、ブランド各社が現代に蘇らせようとしているのだ。
 ちなみに、10年近く前にオルレバー・ブラウンを大ヒットブランドへと押し上げたのも、もちろんスイムショーツである。リゾートウェアに変革をもたらしたのだ。また、同様に新たな波を起こしたもうひとつのブランドが、高品質なスイムショーツや、サマーシャツの生地に対する遊び心あふれる取り組みで有名なヴィルブレクインだ。両社とも、コットンやリネンを巧みに活用している。
 一方で、メゾンのデザイナーたちも夏のリゾートコレクションのためにさまざまな素材を駆使し、着心地のよさを保ちながらも、さまざまな挑戦をしている。
 例えばボッテガ・ヴェネタの魅惑的なコットントラウザーズ。緩やかな形状で、繊細なストライプ柄が施されており、凹凸感のあるこのトラウザーズは、柔らかいトップスと、贅沢なレザーのエスパドリーユを合わせれば完璧だろう。
 もしかしたら、リゾートウェアこそが、メンズウェアの中で現在、最も著しい成長と革新を遂げている分野かもしれない。たまの休暇の海外での装いくらい、少し冒険してみるのがいいだろう。それこそが真の洒落者というものだ。

Photographer’s Assistant: Alex Poll
Prop Stylist: Charmaine Dresser
Fashion Assistant: Millie Bradshaw
Grooming: Sarah Exley using Dermalogica and Philosophy
Model: David Kammenos / Success

THE RAKE JAPAN EDITION issue 11