BAGS OF CLASS

品格漂うグローブ・トロッター

August 2019

text nick scott
photography steve lanceeld

現在でもヴィクトリア朝時代のプレス機を使用して、グローブ・トロッターのシンボルともいえる、頑丈なコーナー部分を製作している。

 さらにグローブ・トロッターのヴォーン会長はこう述べている。

「私たちは未来のアンティークをつくっているのです。50年、70年、100年経っても、この工場から生まれたグローブ・トロッターのほとんどは現役で活躍しているはずです」

使い込むほどに増す味わい 耐久性だけでは真のラグジュアリーアイテムとはいえない。ガーメントやラゲージの魅力を左右する最大のポイントは、使い込むほどに味が出てくるかどうかだ。

「これほど美しく、耐久性に優れたトラベルケースですから、使えば使うほど魅力や個性が引き立ち、なによりも風合いが増すのです」

 さらにセドン氏はこう続ける。

「特にアイボリーカラーのケースをお買い上げになったお客様のなかには、どうなって出てくるのかが不安なために空港で手荷物として預けたくない、とおっしゃる方もいます。でも、使い込んだトラベルケースにこそ味わいが出てくるものです。年を重ねるように、旅の思い出を雄弁に物語ってくれますよ」

 クラフツマンシップや非の打ちどころのないデザインはもとより、長く使える耐久性が同ブランドの伝統につながっていることは間違いない。

トラベルケースのひとつひとつに精緻な手仕事が光る。レザーをエッジ周りに接着してから組み立て、ステッチを施す。

THE RAKE JAPAN EDITION ISSUE 08
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