September 2021

ATELIER BRIO PECHINO NEW STORE

中国で一番進んでいる店は何が変わったのか?:アトリエ・ブリオ・ペキーノ

text yoshimi hasegawa

店内には元タイ・ユア・タイのシモーネ・リギ氏がフィレンツェで経営していたメンズウェアストア「フラージ」から引き継いだ歴史ある家具が使用されている。最近のワン氏のスタイル、ジーンズかコットンのトラウザーズにクルーネックのTシャツとソフトな仕立てのジャケットのコンビネーションを反映した品揃え。

 インハウステーラーは品質管理に加え、クラフツマンシップに重点を置き、彼らがすべてを手作業で行う。

 自社製の現代的な仕立ては構造物をできるだけミニマルに、リラックスした柔らかなラインを持ち、不必要な装飾的ディテールを取り除いたものとなる。 

 ワン氏による今回のストアコンセプト、「イタリアンスタイルへの情熱、日本製への敬意、中国スタイルの再発見」は、新時代のアジアが牽引するメンズウェアスタイルの到来を予見させる。

 独自のパターンを研究、開発するため、サルトリア・クレセントやWWチャンとコラボレーションし、さらに、ワン氏の親友でもあるフィレンツェ在住の日本人テーラー、サルトリア・コルコスの宮平康太郎氏もパターンの初期設計に大きく貢献している。

 ワン氏は2018年からインハウスビスポークを着用していたが、長年の評価と改良を経て、いよいよ新ラインを市場に投入するときが来た。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 41
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