POCKET GUIDE: GEORGE BAMFORD

アイディアの宝庫

Tuesday, February 23rd, 2021

バンフォード・ウォッチ・デパートメントのクリエイターであり、JCBのチェアマンであり、バンフォード卿のご子息であるジョージ・バンフォードはラグジュアリーウォッチをカスタマイズ可能なアートへと変貌させる。

 

 

text tom chamberlin

translation wosanai

photography kim lang

 

 

 

George Bamford/ジョージ・バンフォード

バンフォード・ウォッチ・デパートメント クリエイター

 

 

 

 ジョージ・バンフォードは、年を取るということ忘れてしまったかのように、子供の時の熱狂を今も抱いているような人物であるが、ビジネスの才腕は老練家そのものである。

 

 彼は“考える人”なのだ。想像力に長けていて、誰も思いつかないような正解への道を見つけてしまう。ロレンツォ・チフォネリがテーラーリングの購買層を広げたような、またはエットーレ・ブガッティが車は単なる移動手段ではないと消費者に気づかせたような方法が、彼の頭の中にもあるのだ。

 

 

左:絶妙なマッチングのスーツとタイ。チョークタッチのウィンドウ・ペンのスーツは、イタリアのカラチェニで仕立てたもの。タイは、ソフと藤原ヒロシ氏のフラグメント デザインとコラボレートして生まれたユニフォーム・エクスペリメントのもの/右:ディテールがすべてである。このミラネーゼ ボタンホールはそんな些細で繊細なクラフトマンシップの代表であろう。

 

 

 

 そしてバンフォードのメソッドは他者を陥れるであるとか、相手の失敗を暴くといった類のものではなく、ポジティブに解釈したものを、彼というフィルターを通し、“JOY”や“FUN”とともに新たな姿で世に送り出すということである。

 

 THE RAKE は今回、アート、色彩、家族、2匹の愛犬など、バンフォードの想像力の源に一歩踏み入れる貴重な機会を得ることができた。彼のスタイルは、スーツや靴、ベルトやタイすべてにおいて、小さい枠にはとらわれていない。常に刺激的で新しい何かを探しているのだ。となれば我々THE RAKEが彼に敬意を称さずにいられるであろうか。

 

 

バンフォードとアイシーベルリンのコラボレーションで生まれたメガネ。ミニマルでモダンなアイテムは、目元に力強いインパクトを与える。

 

 

エリック クックでビスポークしたチェルシーブーツ。マスターのエリックはほぼリタイアしているため、今後彼の靴にありつくのは難しいだろう。エリック クックが世界一であると語る人も少なくない。ジョージの数ある靴コレクションのなかでも、このブーツが特にお気に入りの一足だという。

 

 

ある人は莫大な金額をブレスレットに注ぎ込むかもしれないが、彼のブレスレットは非常に個性的でかつ感動的なものだ。どれも、家族または友達によるハンドメイドで、長い年月を経てコレクションされてきたもの。

 

 

いろいろなものを寄せ集めて作られたネックレス。彼の子供たちの指紋が象られたもの、日本の50 円玉、結婚指輪、キリスト教のクロスなど、すべてにセンチメンタルで個人的な意味が込められている。「エンジニアはあまり結婚指輪をはめません。私はエンジニア家系の出身ですから指輪はこのようにしてネックレスとして身に着けています。十字架がふたつあるのは、私が手に負えないほどの腕白な子供だったからです」

 

 

右上から、オメガの「スピードマスター」、ホイヤーの「カリキュレーター」と「モンツァ」は、ジョージの私的なウォッチコレクション。「時計のトレーディングをしていた頃はよくフリーマーケットにも行きました。そこで見つけた時計を分解したりもしたものです。これらは業界が非常にデザイン思考だった時代のもので、こういった時計はもう作られていません」

 

 

THE RAKE JAPAN EDITION issue18

本記事は2017年9月23日発売号にて掲載されたものです。
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