TRIBUTE TO CITY OF LIGHTS —1900

120年前のパリで
讃えられた“ルイ13世”

March 2020

issue10

特別な樽で、100年先へ想いを繋ぐ。「ルイ13世」を構成するオー・ド・ヴィーを生み出すのに欠かせない熟成樽。ティエルソンと呼ばれるこの大樽は、コニャック地方に程近い森のオークを使って一から手作りされたものだったが、年月の経過とともにその製法は失われてしまった。

 そのため古くなった樽は修復しながら使用するしかなかったのだが、「ルイ13世」はメゾンの伝統を守りつつ次世代に継承するため、ついにティエルソンの再生産をスタートさせた。
 
 この取り組みは、100年先へ想いを繋いでいくというメゾンの考え方を体現するものだ。新たに造られた樽は木の香りが強すぎるため、使用されるのは早くても50年先になるという。

 コニャックという枠を超えた最高級のラグジュアリーは、数百年という長い“時”と、何世代もの森林の管理者や卓越した樽職人、セラーマスターの手を経て生み出されている。

本記事は2020年3月25日発売号にて掲載されたものです。
価格等が変更になっている場合がございます。あらかじめご了承ください。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 33

1 2 3 4 5

Contents