November 2020

THE MAN WHO WOULD BE KING

俳優:レイフ・ファインズ
世界を救う英国紳士

text shiho atsumi photography aflo

「アクションシーンでは張り切ったよ。映画の終盤はもちろん、中盤のあちこちにも少しずつ……かなりのボリュームがあった。できることならすべて自分でやりたかったから、スタッフがスタントダブルを連れてくるとちょっとムッとしたよ(笑)。まあトム・クルーズじゃないんだから、不可能なことがあるのもわかってる。オックスフォード公が部屋の端から端まで吹っ飛ばされたりするような場面とかね。戦闘のスタイルは昔ながらの剣術だけど、容赦のない、怒りに満ちた猛烈なもの。そして終盤では、勝利するためにはすべての紳士的なフェアプレイさえ捨てざるをえなくなってしまうんだ」

スターとしての地位を確立し、
監督としてもデビュー
『アベンジャーズ』の翌年、妹マーサ・ファインズの監督作である『オネーギンの恋文』に出演。さらに『レッド・ドラゴン』と4本の「ハリー・ポッター」シリーズを経て、2012年には「007」シリーズのM 役を得た―つまり俳優としてこれ以上ないほどに盤石の地位を確立したファインズは、満を持して監督デビューも飾っている。3本目の監督作『ホワイト・クロウ 伝説のダンサー』(2018年)でのシネマトゥデイによるインタビューでは、俳優と作品との関わりを以下のように語った。

「俳優として最高の仕事というのは、自分が表現する必要があると感じるものと十分深く結びついているものだ。僕には自分が“表現する必要がある”と思うものがある。だが、キャラクターの魂を超えて、それを表現することはできない。ある役ではつながりをとても強く感じ、またある役では全く感じられなかったりする。脚本を読んで、素晴らしい役だということは理解できても、そういう風に感じられないものは演じられない」

THE RAKE JAPAN EDITION issue 36
1 2 3 4 5 6

Contents