染色体 XXだけのフォーミュラ

ルワンダ系ドイツ人ドライバーのナオミ・シフ（右）。

「女性のエンパワーメントと多様化に関するメッセージは、ミッションの最優先事項。今は人材の多様性を受け入れ、平等に扱うことが企業の社会的責任になっている時代です。資金面でもサポートされるこのレースは、私のようなドライバーにも参戦する機会を与えてくれる。若い世代のロールモデルとなるのです」

　Wシリーズは公正な競争の場をつくることに重点を置いている。能力とパフォーマンスに基づいたレースを確実に行うため、使用するマシンの仕様は技術面ですべて同じだ。メカニカル・エンジニア兼レーサーのセーブル・クックはこう説明する。

「クルマの技術的な性能面に差はないため、追い越す能力はドライバーの力量に依存します。どんな些細なことでも問題になり得るので、レースで有利になるように、ラップやコーナーで小さな勝利を重ねてゆくことが重要です」

　公正さは不可欠だとボンド・ミュールは説明する。「私たちはクルマの性能面でアドバンテージを与えることはしたくありません。マシンが同じならドライバーの実力が見られます。みんな最高のドライバーが誰なのか知りたいのです」

イタリア・ミザーノでのサイン会に臨む女性ドライバーたち。