STYLE HEROES

フランスきっての色男、セルジュ・ゲンズブール

August 2021

オーバーコートを着たゲンズブール(1960年代頃)。

「醜さは長持ちするので、美しさよりも優れている」

 このようなフランス人らしい無愛想さと冒涜的な態度は、間違いなく彼のファッションスタイルにも反映されているといえる。フォーマルなスリーピーススーツを着用していても、無頓着で無造作風のスタイルとして上手く見せていた。

 無造作でクールなそのルックスに拍車をかけたのは、手入れの行き届いていない乱れたヘアスタイルと、いつも吸っていたジタンのタバコのせいかもしれない。あるいは、シャツのトップボタンを開けたままにして、細くてダークな柄物のネクタイを締める習慣があったからかもしれない。

 彼にとって典型的だったファッションのひとつは、ウールのオーバーコートである。6×2ボタンのダブルブレストのショートスタイルで、エポレットが付いており、ピークドラペル、そして彼の場合は常に襟を立てて着ていた。

カフスを外してタバコを手にする、ノンシャランとした彼の性格を象徴する写真(1967年頃)。

コートに黒革のグローブを身に着け、ミニマムでクリーンな印象(1965年頃)。

本記事は2021年5月25日発売号にて掲載されたものです。
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THE RAKE JAPAN EDITION issue 40

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