October 2019

SEWING THE SEEDS OF TIME

俳優:パトリック・スチュワート
円熟の境地

text nick scott photography simon emmett fashion direction jo grzeszczuk
Special thanks to Hotel Café Royal
issue10

ネイビージャケット、ポロシャツ both by Giorgio Armani

きっかけはシェイクスピア 自分の人生を決定づけた人物をひとり挙げてほしいと尋ねると、パトリック・スチュワートは迷わずこう答えた。

「中学生のときに出会った、セシル・ドーマン先生だ。初めてシェイクスピアの作品を手に取ったのは、先生から『ヴェニスの商人』を渡されたとき。それがなかったら、この世界に足を踏み入れることはなかったかもしれない。初めての舞台はパントマイムやおとぎ話じゃなく、大人たち(ほとんどは学校の先生)が演じる本物の演劇だった。そこで観客の前で芝居を演じる楽しさに目覚めたんだ。あの感動は今も覚えてる」

 地元の劇団に加わり、15歳で学校を辞めると、地方紙のジュニア・レポーターとして働いた。勤務時間中も舞台のリハーサルに参加していたという。それからまもなく、16年にわたるロイヤル・シェイクスピア・カンパニーでのキャリアをスタートさせる。1966年の入団以来、『テンペスト』のプロスペロや、ジョン王、ヘンリー4世をはじめ、数々のシェイクスピア劇で主役を張ってきた。舞台ではその他に『モーガン山を下りる』や『クリスマス・キャロル』、テレビドラマでは『新スタートレック』のピカード艦長などを演じた。映画でも、ニューヨークで生活するゲイの役(『ジェフリー! 』1995年)から、CIAの精神科医(『陰謀のセオリー』1997年)、ライブハウスのオーナーで殺人癖のあるネオナチ(『グリーンルーム』2015年)まで、幅広い役柄をこなしている。

 さらに、よく響くバリトンボイスを生かして声優としても活躍、セス・マクファーレン監督の『テッド』『テッド2』ではナレーションを担当した。それをきっかけに、同監督が2016年に製作総指揮を手がけたコメディドラマ『Blunt Talk』で、破廉恥なニュースキャスターを演じた。

本記事は2017年7月24日発売号にて掲載されたものです。
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THE RAKE JAPAN EDITION issue 16

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