Monday, October 7th, 2019

SEWING THE SEEDS OF TIME
円熟の境地

ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーを経て、スーパースターへ。
ナイトの称号を持つサー・パトリック・スチュワートの情熱や野心、好奇心はとどまるところを知らない。
X-MENシリーズの最新作『LOGAN/ローガン』の撮影を終えた彼にインタビューの機会を得た。
text nick scott photography simon emmett fashion direction jo grzeszczuk
Special thanks to Hotel Café Royal

 パトリック・スチュワートは2013年からツイッターを始め、ユーモラスな投稿を披露している。堅いイメージを払拭し、男の中にある子供のような部分をさらけだそうとしているのだろう。投稿された写真の中にはロブスターの着ぐるみ姿や、ピンクの綿あめで自分の肖像をつくっている姿が見られる。だが、これまでで最もリツイートが多かったのは「ブロマンス」(=ブラザー+ロマンス。男同士の熱い友情)の関係として有名になった、親友サー・イアン・マッケランとの一連のお茶目な写真の投稿。ふたりがタイムズスクエアでポーズを取ったり、お揃いの山高帽をかぶったり、セサミストリートのエルモを挟んで立ったりして大いに話題となった。多忙だった2016年を終えて休暇を取っている彼に「これからもこんな楽しい写真を投稿してくれるか」と聞くと、「もちろん」と答えてくれた。
「ツイッターの名を汚している人がいるけど、だからといってやめてしまうのは了見が狭いと思う。僕がやっているのは、ユーモアを持たせつつ、たまにはマジメな話題や影響を与えたいテーマについてコメントすることなんだ」

まったく雰囲気の違う最新作

 76歳のスチュワートは今も実に若々しいが、X-MENのスピンオフ作品であるウルヴァリンシリーズの最新作『LOGAN /ローガン』(6月1日公開)では、いい意味で期待を裏切られるだろう。主役のヒュー・ジャックマン演じるローガン(ウルヴァリン)と、パトリック・スチュワート演じるプロフェッサーX(チャールズ・エグゼビア)は、前作よりかなり年を取っている。
「映画が始まるとすぐに、世界が一変してしまったことがわかる。エグゼビアのパワーはもう、役に立つというよりも社会にとって最も危険な域。誰よりも危険なミュータントに変貌する恐れがあり、常に監視されている。年齢を重ねた結果、ウルヴァリンとエグゼビアの熱意や希望、生き方そのものが変わっているから、観客はかなり驚かされるだろうね」
 スチュワートは、自分が演じるプロフェッサーXが栄光から転落したことで、役者として新たな刺激を受けたという。『LOGAN /ローガン』は他のX-MENシリーズの作品と比べてじわじわと脅威が迫ってくるよう上手く演出されており、スチュワートもこれを認めている。
「他の作品よりダークで、ときには悲劇的なトーンだけど、冒険やスリルに満ちている。全編を通して実に見事なショットばかりだよ。撮影技術もすばらしく、今回のストーリーでエグゼビアとローガンが直面した緊張感や興奮、危機がジェームズ・マンゴールド監督の非凡な采配によって表現されているんだ」
 スチュワートは撮影に向けて10kg近くも体重を落としており、本作で90代半ばの設定になっているエグゼビアはこれまでの印象とはまったく異なる。
「ヒュー・ジャックマンに抱えられている場面が多くてね。『僕と代わりたいと思う女性が世界にどれほどいることか』と何度も思ったよ(笑)」

Sir Patrick Stewartパトリック・スチュワート
1940年、イギリス・ヨークシャー州生まれ。地元の劇団で活動を始め、26歳のときロイヤル・シェイクスピア・カンパニーに入団。SF大作『新スタートレック』のピカード艦長や、『X-MEN』シリーズでチャールズ・エグゼビアを演じ、持ち味を生かした厳しくも慈愛に満ちたキャラクターで世界中の映画好きに知られる存在。2010年には大英帝国勲章ナイト位を受勲。

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THE RAKE JAPAN EDITION issue 16
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