MARK TALKS ABOUT JAPANESE CRAFTSMANSHIP

マーク・チョーが語るジャパニーズ・クラフツマンシップ Vol.1

May 2021

NAOYA HIDA&Co.の手作り時計
世界の最高峰を知るマーク・チョー氏が、尊敬する日本のクラフツマンシップを紹介するこの連載。
今回は時計のコレクターとしても知られる独自の着眼点から唯一無二の機械式時計の魅力を語る。
text yoshimi hasegawa

Mark Cho / マーク・チョー「男のための武器庫」たるワードローブ、およびメンズスタイル関連製品を提供するストアのアーモリー、英国のメンズウェアを代表するトータルブランドのドレイクス、ヴィンテージクローズを扱うDrop93を経営する若き企業家。メンズウェアのみならず、時計やカメラに造詣が深く、その鑑識眼は世界でも常に注目されている。

NH TYPE 1Bに合わせ、カーフレザーベルトと馴染むブラウンとオレンジを基調としたコーディネイト。テーラーケイドによるアーモリー、モデル99のビスポークジャケット。アスコット・チャンのボタンダウンシャツ、アーモリーのニットベスト。

「唯一無二」という言葉は他に代替するものがなく、並ぶものがないことを意味する。NAOYA HIDA & Co.の時計はまさにそれに当てはまるだろう。

 代表取締役の飛田直哉氏はF.P.ジュルヌ、ラルフ ローレン ウォッチ&ジュエリーの日本代表等を務めた後、2018年に自身のブランドNAOYA HIDA & Co.を設立。マーク氏が所有するNH TYPE 1Bは同社のファーストリリースで製造数わずか7本の希少品だ。

「私がこの時計を知ったのは、友人のス・ジャシャン氏が運営しているwatchesbysjx.comというサイトを通してです。彼のセンスがとても好きなので、この時計にも大変興味が湧きました。日本で飛田さんに会い、実物を手にしたときには感動しましたね」

 特に感銘を受けたのは、機械式時計の原点である懐中時計からインスピレーションを得た細部のディテールやハンドメイドの意匠、飛田氏の理想とする時計を製造するため、堅牢なため加工が難しいSUS904Lステンレススティールをケースに採用するなど選び抜かれた企業による超精密機械工業の技術力だ。

TYPE 1Bから細部の仕様を変更した現行モデルTYPE 1C。耐食性が高いが加工が困難なため、限られたメーカーが仕様するステンレス素材SUS904Lを使用。SSケース(直径37mm、厚さ9.8mm)、手巻き(Cal.3019SS)。パワーリザーブ約48時間 ¥1,850,000 Naoya Hida & Co.

本記事は2021年3月25日発売号にて掲載されたものです。
価格等が変更になっている場合がございます。あらかじめご了承ください。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 39

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Contents

<本連載の過去記事は以下より>

マーク・チョーが語るジャパニーズ・クラフツマンシップ Vol.2

マーク・チョーが語るジャパニーズ・クラフツマンシップ Vol.3