MARK TALKS ABOUT JAPANESE CRAFTSMANSHIP

マーク・チョーが語るジャパニーズ・クラフツマンシップ Vol.3

Wednesday, September 15th, 2021

リングヂャケットの仕立て服
世界の最高峰を知るマーク・チョー氏が認めた日本随一のクラフツマンシップを紹介するこの連載。
今回は日本最高峰のクロージングブランド、リングヂャケットを紹介する。
text yoshimi hasegawa

Mark Cho / マーク・チョーメンズウェアストアのアーモリー、英国のメンズウェアブランドのドレイクス、ヴィンテージクローズを扱うDrop93を経営する若き企業家。東西の垣根を超えた鑑識眼は高く評価されている。
ブラウンのモデル6スーツ Ring Jacket、シャツ(ビスポーク) Ascot Chang、タイ Drake’s、ローファー The Armoury

 リングヂャケットとはアーモリーを立ち上げたときから、10年以上の付き合いになります。実は、彼らは私たちの最初のサプライヤーなのです。なぜ、私がリングヂャケットをそこまで気に入っているのか? その理由はたくさんあります。

 最初にリングヂャケットを知ったのは友人の薦めからです。それまでキートンを愛用していた彼から、リングヂャケットの製品を試してみてはどうかと言われたのです。

 初めて実際に彼らの服を見たのは、新宿の伊勢丹メンズ館です。そのときはテーラードウェアの品揃えを見るのと同時に、さまざまなジャケットを試着していたのです。

 リングヂャケットの製品はそこで際立っていました。首から肩にかけてのシェイプがとても美しかったからです。さらに既製品では珍しいことに、アームホールが非常に高い作りであることに気がつきました。試着してみると、既製品であるにもかかわらず、ビスポークのようなフィット感に驚きました。それから大阪のリングヂャケットへ行き、取り引きしてくれるよう頼みました。これが始まりとなったんです。

 彼らのジャケットの胸部とショルダー部分のコンストラクションは非常に特徴的です。柔らかさと構築性、双方のバランスがとても良いのです。これにより、スーツ(上写真)の場合はとてもエレガントに、スポーツコート(下写真)の場合はより洗練された印象となります。

クリームのモデル12スポーツコート Ring Jacket、ポロシャツ The Armoury、トラウザーズ Pomella、スニーカー Moonstar all by The Armoury

 首のつけ根から肩の先まで、美しく傾斜した柔らかなショルダーラインがあるので、着る人にナチュラルで男性的な印象を与えます。また、ジャケットのウエストの作り込みも好きなんです。控えめでありながら、男性の体型を引き立てる、華やかなシェイプとなっているからです。

 生地の選び方も日本と世界の良いメーカーを厳選していて、その選び方には独自の視点があり、彼らの製品を興味深いものにしています。世界のメンズウェアの既製品の中で、価格と品質のバランスを考えると、コストパフォーマンスが非常に優れています。

 私がアーモリーで既製服コレクションのパートナーとしてリングヂャケット選んだのは、日本のみならず、世界の中でもお気に入りのテーラードウェアのブランドだからなのです。

POINT: ここがスゴイ!計算されたパターンと工場の高い技術力により、既製服でありながらビスポークのような快適な着心地を実現。丁寧にいせ込まれた肩周り、首から肩へかけての安定感、軽量構造でありながら胸のドレープの豊かな立体感と、日本の仕立ての技術力を海外に知らしめた。上位モデルのMEISTER MODELは適度なゆとりと優美なシルエットが特徴。このモデルではネイビーのヴィターレ・バルベリス・カノニコのウール100%のナチュラルストレッチ素材を使用。VBCとの6プライなど職人技を追求したコラボレーションも行っている。参考商品 Ring Jacket Meister

The Armouryhttps://thearmoury.com

THE RAKE JAPAN EDITION issue 41掲載記事

<本連載の過去記事は以下より>

マーク・チョーが語るジャパニーズ・クラフツマンシップ Vol.2

マーク・チョーが語るジャパニーズ・クラフツマンシップ Vol.1