JAPANESE CUT

世界が注目する
ニッポンの新世代テーラー

July 2019

text yuko fujita photography ethan newton


世界から見たニッポンの新世代テーラーの魅力は?世界で活躍しているからこそ、日本、中国、韓国のウェルドレッサーたちは知っている。
今なぜ、ニッポンの新世代テーラーが注目されているのかを。その魅力を彼らに訊いた。

左から順に:加賀健二氏、ジョージ・ワン氏、エディ・パーク氏

GEORGE WANG
“彼らの服には仕立てへのパッションが宿っている”
Brio Beijing ファウンダー
ジョージ・ワン氏

「フィレンツェでサルトリアを開いている宮平康太郎さんは私の昔からの友人ですが、彼の作る服はまさにフィレンツェの雰囲気をそのまま感じさせてくれます。生地のセレクトも私の趣味ととても近く、彼の服を作るのは私の大きな楽しみでもあります。尾作さんのパンツも、その美しいラインと完璧なフィッティングに驚かされました。日本人の新世代サルトは皆パッションに満ちていて、彼らの技術は常に向上しています。イタリアの服には成熟したよさがありますが、彼らの服にはそれとは違ったワクワクさせる魅了があるんですよね。フィレンツェやナポリも大好きですが、それと同じように日本の服にも、注目していきたいです」

EDDIE PARK
“ビスポークの世界で新しいクラシックを作っている”
Villa del Corea ディレクター
エディ・パーク氏

「私たちのソウルのショップでは、チッチオの上木さんに定期的にお越しいただいてオーダー会を開いていています。チッチオの服をオーダーするお客様はイタリアの他のテーラーでもたくさん仕立ててこられた方ばかりですが、彼の服にはそういったお客様をも魅了させてしまうだけの素晴らしい魅力が詰まっています。正統派のクラシックでありながらそこに独自のセンスが感じられ、見事にチッチオのスタイルになっているんです。これだけの実力がありながらまだ37歳。今後、どこまで凄くなるのでしょう。ニッポンの新世代テーラーは皆が常に前進しています。作り続けながら一緒にそれを楽しめるのは、素晴らしいことですよね」

KENJI KAGA
“ニッポンの新しい未来を予感させてくれる服”
Seven Fold 代表取締役
加賀 健二氏

「海外で修業を積んだ若い人たちが次々と登場してきていますが、彼らは吸収する能力がとても高く、研究にも熱心。そういった点ではニッポンのテーラーはイタリアのテーラーよりも将来性があるように思います。今日着ている上木さんの服は、イタリア人が作る服に最も近い雰囲気を備えながら、日本人らしい繊細さも備わっています。アングロフィロの小野さんなど、実力のある人たちが出てきているので、これから皆さん前に出る若干の勇気をもって、アジアだけでなくニューヨークやロンドンなど、世界を舞台にして活躍してほしいですね。彼らの服に、ニッポンの新世代テーラーの明るい未来を感じずにはいられません」

本記事は2016年1月24日発売号にて掲載されたものです。
価格等が変更になっている場合がございます。あらかじめご了承ください。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 08

1 2 3 4 5 6 7 8 9

Contents