HAPPY BIRTHDAY, MR. PRESIDENT
富と審美眼を持つ男の象徴「ロレックス デイデイト」
May 2019
エバーローズゴールド製ケースのデイデイト36の新作。¥3,560,000(税別予価)・今夏発売予定 Rolex
現在のデイデイト 36 のカラーダイヤルは、2013年に発表されたものだ。ロレックスは正式にコメントしていないが、これらが、コレクター垂涎の品となったステラダイヤルのデイデイトを踏襲したものであることは明らかだ。
2008年には、ケース径41ミリという、デイデイト史上最大のサイズを誇るデイデイトIIが発表された。ムーブメントはキャリバー 3156。しかし、2015年にはサイズを僅かに1ミリ縮小して、さらに優雅さを表現するデイデイト 40となった。
完成体となったデイデイト デイデイト 40に搭載された新しいキャリバー 3255は、ロレックスを代表する技術成果のひとつ、クロナジー エスケープメントを採用している。この脱進機は、伝統的な機械加工よりはるかに精度の高いLiGA技術で製作された、ニッケル・リン合金製のアンクルとガンギ車で構成されており、磁気の影響を受けない。
ガンギ車は体積を大幅に抑えているため、はるかに軽量で慣性が小さい。1秒あたり8回の頻度で停止と始動を繰り返す装置において、これは大きな意義を持つ。この軽量化により、15%も効率が向上している。ロレックスのすべての時計がそうであるように、時計の振動子をなすテンワはフリースプラング方式だ。これは、ひげゼンマイにかかる張力を変える代わりに、テンワのリムに組み込まれたウェイトを使って調整する方式である。なお、ひげゼンマイはパラクロムという独自素材でできている。パラクロムは、塑性復元力に優れたニオブとジルコニウムの合金で、耐磁性、耐衝撃性に優れる。こうした特性により、デイデイトは美しいだけでなく、世界屈指の信頼性を誇る機械式時計であることが証明されるのだ。
デイデイトは時計の枠をはるかに超えた存在だ。心の強さの象徴であり、パワーを高めるためのツールであり、誰もがはっきり理解できるような朗々たる意思表明である。真の男の時計コレクションは、デイデイトなしでは完成しない。
本記事は2019年1月25日発売号にて掲載されたものです。
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THE RAKE JAPAN EDITION issue 26