HAPPY BIRTHDAY, MR. PRESIDENT

富と審美眼を持つ男の象徴「ロレックス デイデイト」

May 2019

text wei koh

ロレックス デイデイトの過去の広告。この時計の対象層をわかりやすく提示している。

 高い知名度を誇る1800番台のデイデイトは、1959年に誕生する。中でも一番有名なのは、おそらく1803だろう。これらは当初、キャリバー 1555を搭載していたが、60年代半ばには振動数を上げたキャリバー 1556に切り替わった。

 俗説によると、1959年には推定6本の6611がスチールで製作されたという。スチール製デイデイトはこれ以外に存在しないが、それが商用に製造されたのか、試作機が最終的に市場に出たものなのかは不明で、現在も明確な答えはない。

 1969年には、ブレスレットのクラスプを隠した“コンシールド・クラスプ”が加わった。これがプレジデント ブレスレットとして知られるようになる。

1970年代:
ref.18XXXとクオーツモデル
 70年代は、デイデイトが著しい技術進化を遂げた時代だった。1972年、デイデイトのキャリバー 1556に、リュウズを引き出すと秒針が止まるハック機能が実装された。風防にサファイアクリスタルが採用されたのもこの頃である。1977年にはリファレンスナンバーもひと桁多い18XXXとなり、新しいキャリバー 3055 が搭載された。最大の特徴は、4Hzの振動数により耐衝撃性が向上したことと、日付調整に重要なクイックセット機能を備えたことだった。

本記事は2019年1月25日発売号にて掲載されたものです。
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THE RAKE JAPAN EDITION issue 26

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