DIRECTOR’S CUT
ポール・フェイグ:スーツが与えてくれた人生の転機
March 2024
セラクロムベゼルを採用したロレックスのオイスター パーペチュアル コスモグラフ デイトナ
僕はイギリスの作品を観て育った クラシックスタイルが好きなので、ファッションにもこだわるようになった。最初はラルフ・ローレンのような定番のアメリカンスタイルから始めたが、その頃はディスコ全盛期。当時の写真には、ダブルのジャケットなどで決めた僕が写っている。生地はひどいし、70年代らしく派手な仕立てだが、イメージしていたのは30 ~ 40年代のスタイルだった。
フレッド・アステアや『ヒズ・ガール・フライデー』(1940年)のケーリー・グラントから大きな影響を受けた 実際、この映画の登場人物がダブルのコートのボタンを留める様子に魅せられ、夢中になった。僕はイギリスに行こうとしていたし、彼らの役柄はそんな装いにこだわっていたから、英国スタイルに親しみを感じたんだね。ちなみに、ビスポークの世界に足を踏み入れてから5年ほどしか経っていないけれど、ハマってからはブリティッシュスタイル一筋だよ。
スーツには何をプラスできるか 僕は、経済性を考えたこんなアイディアが好きだ。スーツはそんなにたくさん買えないから、どうしてもブルーやグレイ、ブラックが定番になる。こうした定番を女性がしているようにコーディネイトするには、アクセサリーを活用すればいい。男性には時計やカフリンクスがあるし、ポケットチーフで華やかさや個性を演出することもできる。ラペルピンは政治的な主張をしているようで好きじゃないんだけどね。いまでは50あまりのブートニエールを持っているよ。