Friday, March 24th, 2017

DIRECTOR’S CUT

スーツが与えてくれた人生の転機

text tom chamberlin photography robert spangle

『デンジャラス・バディ』を監督したときの様子(2013年)

ウディ・アレンの映画『泥棒野郎』を初めて観たのは8~9歳の頃だった 本当に面白かったし、それまでこんな映画は観たことがなかった。どこかオタクっぽいけど、クールでもある。ウディ・アレンが脚本も監督も手掛けていると従弟から聞いて、そんなことができるなんて信じられないと驚いたよ。

 僕は俳優になりたいとずっと思っていたから、それなら自分で脚本を書いて、監督して、その作品に出ようと考えた。脇道にそれてスタンドアップ・コメディをやるようになったけど、やがて俳優として演じたり、脚本を書いたりするようになった。僕は初歩的な方法で演技の道に入ったんだ。自分で金を出して、自分で演じたんだから。

子供向けの作品は好きじゃない 僕が好きなのは、モンティ・パイソンのような大人のコメディ。モンティ・パイソンはメンバーがいつも大人らしい恰好をしている点が特にいいよね。スーツとネクタイで決めている大人が、ばかげたことをやるのが最高に面白いんだ。アナーキーに見えるからね。

机上のキャラクターに命を吹き込んでさらなる魅力を引き出し、3次元の存在にしてくれる演者を選ぶことが、キャスティングの鉄則だ オーディションではアドリブをたっぷりと披露してもらう。普通は劇中のセリフをいくつか読むんだけど、僕は長ゼリフも書くから、延々と一人芝居をしてもらいながらその人の個性を観察し、どう生かせるか考える。それから役者に合わせて脚本を見直し、本番に備えてリハーサルをする。これは読み合わせのようなものだけど、撮影に入るまでに1カ月はかかるね。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 15
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