July 2015

EMPIRE OF THE SONS

地球上で最も裕福な一族
―ロスチャイルド家の系譜―

text james medd
issue02_150331_04

ナサニエル“ナット”ロスチャイルドと父親のジェイコブ男爵、人気シンガーのケリス(ワデスドン・マナーで催されたルイ・ヴィトン150周年記念パーティーにて。2004年)。

 ロスチャイルド一族はイスラエルの建国にも貢献している。その先陣を切ったフランス・ロスチャイルド家のエドモン(1845~1934年)は、当時のパレスチナへの初入植を資金面で援助した。バルフォア宣言(イギリス政府の公式書簡)を受け取ったのは、熱心な動物学者のウォルターである。イギリス政府はバルフォア宣言の中で「ユダヤ人のナショナルホーム」設立に協力すると約束している。

現在のロスチャイルド家 ロスチャイルド家がユダヤ人社会で果たしている役割は今も変わらない。第4代ロスチャイルド男爵のジェイコブは多彩な慈善事業に関わり、イスラエルにある一族の財団「ヤド・ハナディヴ」の理事長を務めている。彼は一族の商才も受け継ぎ、富裕層向けのさまざまな金融機関も率いている。

 その他では変化したことも多い。ロスチャイルド家はもう金を扱っていないし、2010年には、200年にわたる一族の歴史で初めて、同族以外の経営者が金融帝国のトップに就任した。とはいえ、この一族がこれからも生き残ることは確かだろう。「ロスチャイルド」は、もはや単なる名前ではない。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 03
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