Thursday, August 27th, 2015

Jet-set Gigolos

世界を股にかけた、ジゴロ伝説

いとも簡単そうに、女性を相手に荒稼ぎしながら大都市を飛び回るリチャード・ギアの姿。
単なるフィクションだろうって? いや、そうともかぎらない。THE RAKEでは、世界を股にかけて
巨額の富を築いた、うらやましいほど華やかな男たちを特集する。
by james medd

リチャード・ギア主演、1980年公開の犯罪サスペンス『アメリカン・ジゴロ』。現実離れしているように見えるかもしれないが、マーク・トウェインが言った「事実は小説より奇なり」という言葉を思い出してみてほしい。

金に惹かれて悪いのか? 男と女の関係において、最後に残された、大きなタブーとされている問題がある。それは、相手が持っている金に惹かれるのは、はたして浅はかなことなのだろうか、ということだ。

 関係というものはすべて、ある意味で取引であり、相手が与えてくれる物や才能やサービスを品定めすることだ。すごい金持ちや、すごい美人がモテるのは、与えられる要素が他人より際立っているからだ。

 アリストテレス・オナシスやJ・ポール・ゲッティは、自分が愛されたのは、マスティク島に別荘を持っていることが理由ではなく、持ち前のウィットやセックスアピールのおかげだとは考えないだろう。

 同じように、スーパーモデルも、キャットウォークが似合う抜群のプロポーション抜きで、その性格や話の内容だけで、有名ギタリストの夫が首ったけになっているとは思わないだろう。

 モデルにロックスターがつきものであるように、女性の遺産相続人にはジゴロがつきものだ。女性を喜ばせることが自分の天職だと気付き、仕事として選ぶ男たち。なかには、人もうらやむ大成功を収めた人物もいる。

20世紀最大のジゴロ 例えば、ポルフィリオ・ルビロサがその1人だ。自分が持っているものを最大限に活用した男といえば“ルビ”しかいない。

 ドミニカ共和国の外交官だった彼は、世界一の大富豪の女性2人と結婚し、当時の美人映画女優のほぼ全員と恋仲になり、さらには、容赦ない独裁者を手玉に取ったことさえある。

 1950年代のキューバの曲に、こんな歌詞が出てくる。

「Que Es Lo Tuyo, Rub irosa?(ルビロサ、君は何を持っているんだ?)」

 答えは、必要なものすべてだ。5カ国語を操る語学力。エレガントな身のこなし。そして、身長175cmほどでありながら、肉体的に立派なものを持っていたことは有名な話だ。

 良家に生まれた彼は、父親がフランスのドミニカ共和国大使館で首席公使を務めていた関係で、幼少期をフランスで過ごした。帰国すると軍に入隊し、その後大統領護衛官となり、ドミニカの独裁者ラファエル・トルヒーヨの娘と結婚して、大統領一家の一員となる。

 結婚生活は6年で終わりを迎えたが、天性の機転のおかげで、彼は外交官の職を追われずに済んだ。トルヒーヨは言う。「彼は仕事ができる。女性たちにも好かれている。嘘が非常に上手いからだ」

 政界の次は、映画界で浮名を流した。当時フランスのトップスターだったダニエル・ダリューと結婚した。しかし、たばこ会社R・J・レイノルズの1億米ドルもの資産を相続したドリス・デュークと出会い、前妻とはさっさと離婚し、今度はドリスと再婚した。

笑顔を浮かべるポルフィリオ・ルビロサと美人女優ザ・ザ・ガボール。1954年頃、西海岸へ向かう途中にマイアミを通過したときの1枚。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 04
1 2 3 4 5

Contents