Sunday, October 13th, 2019

WHEN EDEN ROCKED

楽園の終わり

text nick foulkes

ゲストにドリンクを差し出すカリム・アガ・カーン4世(1948 年)。

今はなき古き良きリヴィエラ リヴィエラは70年代初頭までに様変わりし、フィッツジェラルドが描いたようなコート・ダジュールは姿を消し、50年代に南仏を夏の拠点にしていた偉大なプレイボーイや大物たちもいなくなった。そして、昔を懐かしむ人々は新入りを嫌っていた。

 1970年の夏、セシル・ビートンは*Radiant II でクルージングを楽しんだ。その40年前にデイジー・フェローズに連れて行かれて以来、久しぶりにサントロペを訪れたビートンは目の当たりにした光景に心を痛めたという。

「波止場は今やあらゆる流行の服を求める買い物客のパラダイスになっていた。サントロペにはもう魅力を感じない」

 こうした状況はサントロペだけの話ではなかった。

「南仏は当世風で嫌になる。昔のような華やかさや優雅さが年々失われ、すっかり荒れ果ててしまった」

*Radiant II = メトロポリタン美術館のライツマン・ギャラリーで知られる野心的なライツマン夫妻のヨット。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 30
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