Saturday, January 11th, 2020

The British Bespokes vol.3
英国ビスポークシューメーカーとの一問一答

text yoshimi hasegawa photography james holborow

靴の製造を主に担当するジェームズ・ダッカー氏(右)。靴製造の専門校コードウェイナーズ・カレッジの講師としての経験も持つ。ファッション・デザイン・マーケティングの学位を持地、主にデザインを担当しているデボラ・カレ氏(左)。共に靴製造を学びながらも異なるバックグランドと個性の統合が独自の発想を生んでいる。

Carréducker
カレダッカー
2人だから作っていける

ともに英国ハンドソーンの靴作りを学んだ2人、デザイナーのデボラ・カレ氏と
シューメーカーのジェームズ・ダッカー氏により創立されたカレダッカー。
スクールも開講し、靴業界に旋風を巻き起こすユニークな活動を追う。

 カレダッカーの名を知らずとも、三つすべてのロイヤルワラントを持つ格式高い両店、ロンドンのギーヴズ&ホークスと銃メーカーのパーディー、彼らと提携しているビスポークシューズメーカーといえば、その実力は想像がつくだろう。

 数々の賞も受賞している彼らの靴はデザイン・ミュージアムのパーマネント・コレクションにも収蔵されている。

 QEST(クイーン・エリザベス・スカラシップ・トラスト)を受け、ハンドソーンの靴作りを学んだデボラ・カレ氏(以下D)が主にデザインを担当。ジョンロブで修行を積んだジェームズ・ダッカー氏(以下J)は靴製造を手がけ、ロンドン北部にあるショールーム兼スクールでは、シューメイキングスクールと靴作りのシンポジウムなどを開催しているという。

新たなシューメーカーの形

―まず、カレダッカーの靴について教えてください。
J:「2004年にハンドソーンの英国靴メーカーとして創業しました。今はビスポークだけでなく、構造はビスポークと全く同じですが、底付けを機械で行うリーズナブルなビスポーク・マヌファクチャードとビスポーク、双方を用意し、他にMTOと既製靴も販売しています」
D:「ギーヴズ&ホークスとパーディー、スーツ用のクラシックな靴とカントリーウェア用のブーツ、さらにライニングなしのスリッポンなど、私たちはあらゆるデザインに対応できます。できないものはありません。その強みを生かし、お客様がカジュアルにも使えるモダンなデザインも手がけています」
―シューメイキングのスクールもあるるそうですが、どんな内容ですか?
D:「約200工程あるハンドソーンの英国靴の製造方法を学ぶ内容で、パターンメイキングからワークショップまで、ビギナーからプロフェッショナルに向けた異なるコースがあります。マスタークラスではノルウェイジャン製法やベヴェルドウエストを学ぶコースも行っています」
―どんな方が受講されるのでしょう?
D:「ショートコースはビスポークのお客様が多いですね。構造やレザーのクオリティを深く学びたいという方が多いのです。プロのコースは海外からシューメーカーが学びに来ることもあります」
―そもそも、スクールを始めた理由は?
J:「私は幸運にもジョンロブで学ぶことができたわけですが、以前からビスポークの靴作りを学ぶ機会はほとんどないことに気がついていました。大抵は見習いで働き始めるケースがほとんどですが、研修できるかは店の空き次第。店の数も限られていますし、学ぶことは難しい。私たちが職人の育成や次世代への技術の継承ができれば、この業界への貢献にもつながるのではないかと思っています」

Carréducker
カレダッカー
50 chocolate Studios, 7 Shepherdess Place
London, N1 7LJ
TEL.+44(0)20 3774 3471
www.carreducker.com

本記事は2019年9月25日発売号にて掲載されたものです。
価格等が変更になっている場合がございます。あらかじめご了承ください。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 30

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