May 2023

THE KING’S REACH

チャールズ皇太子の素顔(Issue07/2015年11月24日発売号掲載記事)

text hugo vickers (royal biographer)

ウィンザー市庁舎でカミラ夫人との結婚式を挙げた日の皇太子(2005年)。

そしてカミラと再婚する その間、チャールズ皇太子は、批判的な英国民にカミラ・パーカー・ボウルズを認めさせようと苦心していた。

 カミラは徐々に公の場で皇太子に同行するようになり、エリザベス女王にもあらためて紹介された。そして2005年の初めには、ついに2人が結婚することが発表された。2人の結婚はありとあらゆる問題に悩まされたが、4月にはウィンザーの市庁舎で民事婚を挙げ、セントジョージ礼拝堂で祝福を受けた。

 カミラの古い友人のなかには、彼女がチャールズ皇太子との結婚を心から望んでいたと言う者もいれば、彼女はさっぱりした性格なので、さほどゴタゴタを気にしていないと言う者もいる。カミラは王室の公務や責務を果たさなければならなかったが、どんなに厳しい批評家でも立派に務めを果たす彼女のあら探しをするのは難しいだろう。

 カミラは結婚して10年の間に、場をわきまえないコメントをしたり、一線を踏み外したりしたことは一度もない。実際、皇太子が短気なそぶりを見せるときも、彼女はうまく場を収めている。夫を上手にフォローしているのである。

 皇太子が我を忘れるようなことは決してないが、カミラのサポートのおかげで最初の結婚のときよりも度量が広くなり、スピーチでは彼女を「最愛の妻」と呼んでいる。エリザベス女王も明らかにカミラを気に入っており、彼女はロイヤルファミリー勲章やGCVO勲章を授与されている。

 彼女は、5連のダイヤモンドネックレス(1942年にロナルド・グレヴィル夫人から遺贈)をはじめ、女王の豪華なジュエリーを身に着けることも多い。賢明にも、彼女は自分の邸宅をウィルトシャーに保有し、ときにはそこが息抜きの場所になっている。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 07
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