The 10 MOST Rakish JAPANESE SHOMAKERS
イーサン・ニュートン×福田洋平 座談会
July 2021
イーサン・ニュートン氏が履いていた、スピーゴラのビスポーク。デザインからオリジナルで作ってもらったが、こういうときに問われるのが職人のセンス。鈴木幸次氏との相性は抜群にいいという。
日本人のシューメーカーは
進化のスピードがとても速いTHE RAKE ちなみにイーサンさんが日本のビスポークシューメーカーを選ぶ基準は何ですか?
イーサン 日本のビスポークシューメーカーは世界の基準からしたら、すべての人が十分すぎるほどの素晴らしい腕をもっていると思います。だから、技術的な面で選ぶことはありません。私が大切にしているのは、作り手のパーソナリティ、それとどのようなスタイルの靴であるかです。私が今まで作り続けてきたコウジ スズキは私のことをすごくよく理解してくれていて、私は彼が作る靴が大好きで、とても相性がいいと思っています。今オーダーしているセイジ・マッカーシーも同じで、黒のオックスフォードで、とだけリクエストしたのですが、その中で彼がどんな靴を作ってくれるのか、今から非常に楽しみにしています。
THE RAKE 今の日本のビスポークシューメーカーは、ほとんどが30代、40代の若い人たちで、2~3年ぶりに取材に行くと、技術がすごく進歩していたり、靴作りに対する考え方が変わっていたり、経験を積む中で決まっていい方向に進化しているわけですけど、そのスピードがとても速いんですよね。
イーサン ヨーロッパのシューメーカーには長い歴史があって、彼らは伝統のスタイルを作り続けているわけですけど、日本のシューメーカーは皆若いですから、歴史に縛られる必要がありません。それと日本の職人さんは皆パッションに満ちていて向上心が高いから、どんどん進歩していくんでしょうね。
福田 そうやってお客様と一緒に歳を重ねながらこれからもずっと育っていけるのは、とても嬉しいことです。自分にも昔からずっとオーダーしてくださっているお客様がいますし、今では海外の方でもそういったお客様が増えてきました。
イーサン 今の日本のビスポークの靴文化は、ミッドセンチュリーの時代に素晴らしいデザイナーがたくさんいてお互いが切磋琢磨していたデンマークの状況ととてもよく似ています。日本の家具だと柳 宗理さんが素晴らしいデザインをたくさん生み出して世界的に名を残していますが、いつか日本にもそういう伝説的な人が出てくるといいですね。やっぱりヨウヘイかな(笑)
本記事は2018年9月22日発売号にて掲載されたものです。
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THE RAKE JAPAN EDITION issue 24