Friday, July 9th, 2021

The 10 MOST Rakish JAPANESE SHOMAKERS: SPIGOLA

スピーゴラ:世界一美しいクロコダイルのビスポークシューズ

スピーゴラのクロコダイル製ビスポークシューズは、躍動感の塊だ。
エネルギッシュで、今から踊りだしそうな気配さえ漂わせている。
text yuko fujita
photography jun udagawa

すべてナイルクロコダイル製ビスポーク。色とりどりの美しい革はオーラが抜群。同クロコダイルの特徴である凹凸豊かな斑が躍動感をもたらしている。向き、配置を含め、斑の乗せ方も天才的に上手い。そして何より靴のデザインとの相性が最高だ。クロコダイル製ビスポークはシューツリー込みで¥720,000~(カーフはシューツリー込み¥350,000~)。納期は約1年~。

 鎧を纏った勇敢な戦士のように凛々しく、セクシーで、躍動感にあふれ、圧倒的な存在感である。細部に目をやっても輪郭線が絶妙だし、ステッチの走らせ方とか、サドルの窓のデザインとか、ちょっとした変化で、オリジナリティを美しい調和のもとに生み出している。そのあたりの卓越した感性こそが鈴木幸次氏の魅力である。細部にまで明確に宿ったチームスピーゴラの美意識の高さにはただただ驚かされるばかりであり、それは17年間のキャリアの中で培われたものだ。

 スピーゴラではクロコダイルの靴が圧倒的な人気だ。使用しているのはナイルクロコ。一般的によいとされているポロサスなどのスモールクロコを使わないのは、それでは斑の凹凸が小さすぎてスピーゴラの靴には向かないと考えているからだ。スピーゴラの靴のダイナミック感は、力強さを備えたナイルクロコだからこそ生まれ得るのだ。ちなみにクロコダイルは業者に色を指定して仕入れたり、白革の状態で仕入れて自分で色を入れることもある。左右で斑の大きさ、バランスを揃えるため、同じサイズのを一匹ずつを使用する。靴のデザインや色によってイメージを変え、クロコダイルでも斑のあしらい方に変化をつけているあたりもサスガである。

 スピーゴラのクロコダイルシューズは海外のウェルドレッサーたちから圧倒的な支持を得ている。イメージしがちなケバケバしさは皆無で、スーツにもジーンズにも溶け込んでくれるのも、ここのクロダイルの特徴だ。

鈴木 幸次すずき こうじ。1976年生まれ。97年にイタリアに渡り、フィレンツェの若き靴職人として注目されていたロベルト・ウゴリーニ氏のもとで修業を積む。2001年に帰国し、地元神戸で自身のビスポーク靴ブランド「スピーゴラ」を立ち上げる。スピーゴラはイタリア語で魚の「スズキ」を意味する。ローマで修業を積んだ弟の悦男氏もスピーゴラの靴職人。

サドルの窓にも美意識が宿る。際を走るミシンステッチも大変美しい。

個性的なサドル。プレーンなアッパーに入れたU のハンドステッチもセンスの塊。

スピーゴラ神戸市長田区細田町5-12-6
TEL.078-641-1343
(休)日曜 www.spigola.jp

本記事は2018年9月22日発売号にて掲載されたものです。
価格等が変更になっている場合がございます。あらかじめご了承ください。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 24

Contents

<本連載の過去記事は以下より>

コウジ エンドウ ボティエ:フランス仕込みのノルヴェジェーゼで世界を魅了

コルノ ブルゥ:完成されたベースラストから生まれる安心のビスポーク

タイ・シューメーカー:スラッとしていてグラマラス。女性のような色気のビスポーク

ユウキ・シラハマ ボティエ:日・伊・仏が融け合った現代的なビスポーク

セイジ・マッカーシー:日米ハーフの元エリートによる超絶クールなビスポーク靴

アン:ブロックから削り出すラストメイキングの奇才

イル クアドリフォリオ:個性革を自在に操る、革の魔術師

マーキス シューメーカー:1930~40年代の英国ビスポークの靴作りを追求

ヨウヘイ フクダ:ミリ単位の美意識が生む完璧なプロポーション

ウェルドレッサーたちもオーダーしているニッポンのビスポーク靴

イーサン・ニュートン×福田洋平 座談会

世界を虜にするニッポンの 美しい靴ベスト10