Saturday, July 10th, 2021

The 10 MOST Rakish JAPANESE SHOMAKERS: YOHEI FUKUDA

ヨウヘイ フクダ:ミリ単位の美意識が生む完璧なプロポーション

ぶれることのない整った美しさが常にあり、世界を魅了している。
その完璧なプロポーションの靴こそが、ヨウヘイ フクダの真骨頂だ。
text yuko fujita
photography jun udagawa

エッジの利かせ具合がほどよく、でもあくまで控えめにしているところ、それぞれの仕事の丁寧さが、端正で都会的な印象を生んでいる。クラシックでありながらモダンでもある、現在進行形のビスポークシューズだ。デザインからのフルビスポークはシューツリー込みで¥480,000~、ハウススタイルのビスポークはシューツリー込みで¥400,000~。ともに納期は約2年~。

 英国で長らく修業した福田洋平氏は技術のベースこそ英国にあるものの、ヨウヘイ フクダの緻密なデザイン線とダイナミックなプロポーション、各工程の完璧ともいえる美しい仕事は、経験を積んでいく中でブラッシュアップされ生まれたものだ。ニッポンではヨウヘイ フクダ≒英国スタイルのイメージが今なお強いが、世界から見たヨウヘイ フクダは完全にニッポンのヨウヘイなのである。彼らの間では日本人らしい大変美しい仕事をし、完璧なプロポーションを作り出すことができ、確固たるスタイルを築いているシューメーカーという認識だ。そんな彼の個性こそが、世界を魅了しているのである。

 話は変わるが、ビスポークには「悲劇」がつきものだ。悲劇とは、サンプルの美しさに魅せられてオーダーしたにもかかわらず、仕上がった靴とのあまりのフォルムの違いに大きなショックを受けることである。人間の足の形は千差万別ゆえ、これは残念ながら低くない確率で起こり得ることだ。が、さまざまなノウハウを蓄積しながら早くから全体のバランスの整った靴作りを追求してきた福田氏は、常に世界を魅了する素晴らしいプロポーションの靴にまとめている。試行錯誤し、丁寧な仕事を積み重ねてきた結果だ。

 不格好な足の人でも美しい靴にまとめるには、ラストだけでなくアッパーのパーツもさまざまな修正が必要であり、福田氏はそこにも相当こだわっている。美を形成するのは、すべての調和であると認識しているからだ。氏のようにどの足でも美しくまとめられるシューメーカーは、ヨーロッパにもそう多くはいないはずだ。氏が欧米を含め世界中に顧客を抱えているのは、そういった総合力で圧倒的に勝っているからである。

サンプルシューズのバランスは美しいが、人それぞれの足の形状は異なるため、当然木型のフォルムも異なってくる。その中でラストを美しくまとめ、その上にどうパターンを乗せていくか、パターンのバランスも1ミリ単位で調整していく。手仕事の美しさ・仕上げの丁寧さだけでなく、そういう細かなバランスを測るところまで行き届いた美意識の高さがあるからこそ、常にあの美しい靴を生み出せるのだ。

理想を具現化した
プレタポルテも世界中で大人気
パートナーにジョン ロブのクリエイティブ ディレクターだったアンドレス・ヘルナンデス氏を迎え、2017年にスタートしたプレタポルテはシューツリー込みで¥240,000。年間200足の限定で、半数は海外での展開。ビスポークを注文した人がこちらも購入し、納品まで待つパターンも多い。トウシェイプや革を選べるパターンオーダーは¥30,000 のアップチャージ。

福田 洋平ふくだ ようへい。1980年富山県生まれ。19歳で渡英し、靴職業訓練学校で学びながらジョン ロブ、エドワード グリーンなどで修業。ジョン ロブの職人にも師事し、後にジョージ クレバリーやエドワード グリーンのビスポーク部門でも活躍。2008年に帰国後、ヨウヘイ フクダを始動。顧客の半分以上は海外からで、香港、パリ、ニューヨークでもトランクショーを行っている。

ヨウヘイ フクダ東京都港区北青山2-12-27 BAL青山2F
TEL.03-6804-6979
(休)日曜 www.yoheifukuda.jp/

本記事は2018年9月22日発売号にて掲載されたものです。
価格等が変更になっている場合がございます。あらかじめご了承ください。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 24

Contents

<本連載の過去記事は以下より>

コウジ エンドウ ボティエ:フランス仕込みのノルヴェジェーゼで世界を魅了

コルノ ブルゥ:完成されたベースラストから生まれる安心のビスポーク

タイ・シューメーカー:スラッとしていてグラマラス。女性のような色気のビスポーク

ユウキ・シラハマ ボティエ:日・伊・仏が融け合った現代的なビスポーク

セイジ・マッカーシー:日米ハーフの元エリートによる超絶クールなビスポーク靴

アン:ブロックから削り出すラストメイキングの奇才

イル クアドリフォリオ:個性革を自在に操る、革の魔術師

マーキス シューメーカー:1930~40年代の英国ビスポークの靴作りを追求

スピーゴラ:世界一美しいクロコダイルのビスポークシューズ

ウェルドレッサーたちもオーダーしているニッポンのビスポーク靴

イーサン・ニュートン×福田洋平 座談会

世界を虜にするニッポンの 美しい靴ベスト10