The 10 MOST Rakish JAPANESE SHOMAKERS

イーサン・ニュートン×福田洋平 座談会

July 2021

イーサン・ニュートン氏が鈴木幸次氏のスピーゴラでビスポークした、型押しコードバンのフルブローグ。お互いをよく知っているから、何も言わなくても好みの重厚感のある感じに仕上げてくれる。

今では顧客の半分以上が
外国人というのは当たり前
THE RAKE そういった意味では日本のビスポークシューズのシーンって、本当に多様性に富んでいて、それもまた海外の人たちを惹きつける理由になっているのかもしれません。今回、10軒のビスポークシューメーカーを回って思ったのは、どこも海外からのお客さんがすごく増えているなということです。10年前だったら、海外から日本にビスポークシューズを作りにやって来るという状況は考えられなかったわけですけど、今ではそれが当たり前になっている。半分以上が海外のお客さんというシューメーカーも本当に増えていて、今回訪ねたところはほぼそういった様子でした。

福田 そうなんですね。私のところも今は半分以上が海外からのお客様です。5年前は中国や香港、シンガポールあたりからのお客様が多かったのですが、ここ最近はフランスやアメリカからのお客様がすごく増えています。お客様曰く、最近はヨーロッパでも、日本の靴がベスト、と言っている人がすごく増えているようです。

イーサン ヨウヘイは日本のビスポークシューズのシーンを早くからリードしていて他よりも2~3年先をいっていると思うんだけど、だからこれからほかのところでもヨーロッパのお客さんが増えていくのではないでしょうか。日本のビスポークシューズの歴史の中で、今がいちばん盛り上がっているのは間違いありません。

福田 昔は自分もイギリスで修業して、ヨーロッパに対してずっと強い憧れのようなものを抱いていたのですが、今日のそういった流れの中で、今はそういう思いはまったくなくなりました。より自分らしさが表現された靴を作りたいなという思いのほうが強くて、他をまったく意識しなくなりました。

イーサン 素晴らしいですね。

本記事は2018年9月22日発売号にて掲載されたものです。
価格等が変更になっている場合がございます。あらかじめご了承ください。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 24

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Contents

<本連載の過去記事は以下より>

世界を虜にするニッポンの 美しい靴ベスト10

ウェルドレッサーたちもオーダーしているニッポンのビスポーク靴

スピーゴラ:世界一美しいクロコダイルのビスポークシューズ

ヨウヘイ フクダ:ミリ単位の美意識が生む完璧なプロポーション

マーキス シューメーカー:1930~40年代の英国ビスポークの靴作りを追求

イル クアドリフォリオ:個性革を自在に操る、革の魔術師

アン:ブロックから削り出すラストメイキングの奇才

セイジ・マッカーシー:日米ハーフの元エリートによる超絶クールなビスポーク靴

ユウキ・シラハマ ボティエ:日・伊・仏が融け合った現代的なビスポーク

タイ・シューメーカー:スラッとしていてグラマラス。女性のような色気のビスポーク

コルノ ブルゥ:完成されたベースラストから生まれる安心のビスポーク

コウジ エンドウ ボティエ:フランス仕込みのノルヴェジェーゼで世界を魅了