February 2022

“SARTORIA RAFFANIELLO”に聞いた

初めてのフルオーダー成功のコツQ&A

text hiromitsu kosone
photography makoto koike

Chapter 02
いざオーダー。そのとき、気をつけることは?

Q1:陥りやすいオーダーの失敗は 
A:よく言われるように、「ここは何ミリ」などと細部を決め込みすぎるのは失敗のもとですね。テーラーにはそれぞれ世界観があって、それを楽しむのがフルオーダーの醍醐味。ある程度お任せした方がよいものができることが多いです。

Q2:オーダーの際、自分のイメージをスムーズに伝えるコツは?
A: “ネイビー無地で作りたい”“3シーズン着られるスーツが欲しい”など、まずは大枠をイメージいただいて、細部はテーラーと相談しながら詰めていく、というのがよろしいかと思います。もちろんデザインやフィットのご要望も遠慮なくお伝えいただきたいですが、事前にガチガチに決め込みすぎないほうがいいですね。

Q3:ラペル幅やゴージ位置、袖付けなどは指定できる?
A:私の場合、採寸時にお好みをお伺いして、できるだけ反映するようにしています。ハウススタイルとは違うラペルやゴージに挑戦してみると、私自身意外な発見があったりして面白いのです。

Q4:採寸時の注意点は?
A:やはりリラックスしていただくことですね。特に胸を張りすぎないようにご注意ください。仕立て上がりのときに、胸周りが緩くなってしまいます。これは仮縫い時も同様ですね。スーツ姿は、少し猫背くらいのほうが似合うと思っています。ですからあまり気張らずに、力を抜いた状態で立っていただきたいです。

中縫い前のジャケット。この段階で7割くらいが仕立て上がっている状態。

Q5:仮縫い時にチェックすべきポイントは?
A:まずは、体型に合ったドレスシャツを着用いただくこと。アームホールの大きいカジュアルシャツなどでは修正に誤差が出てしまう危険があります。また、着心地で気になったところがあったらご指摘いただきたいですが、肩などはまだ仮組みの状態ですので、あまり神経質になりすぎなくてもよろしいかと思います。

Q6:中縫い時にはどんなところをチェックする?
A:仮縫い時の問題がクリアできているかを確認するのが中縫いの工程になりますので、そこが解決されているかチェックしていただきたいですね。もし問題点を忘れてしまったとしても、テーラーが大方記憶していますのでご安心を。

Q7:納品のタイミングで気になったことがあったら?
A:遠慮なさらずお伝えください。肩幅やウエストなどはこの段階でも調整できます。ただし、着丈を大幅に出したり、ゴージ位置を変更したりするなどは基本的に難しいですね。

ハウススタイルは持ちつつ、袖付けやラペル幅などへの要望も比較的反映するほうだという東さん。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 28
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