February 2020

FNCIACORTA, THE TREASURE OF LOMBARDIA

郷愁の泡、フランチャコルタ。

photography takehiko niki

小高い丘の上に位置するワイナリー“ベラヴィスタ”より、イゼオ湖を望む。丘陵にはブドウ畑と古いヴィッラが点在している。

リゾートとしても注目 1961年にフランチャコルタが誕生するまでは、このあたりは貧しい農村地帯だった。人々は細々と赤ワインなどを造っていたが、あまりの貧困さに租税を免除されていたほどだという。

 しかしフランチャコルタの大成功により、洒落たホテルが次々と建てられ、今では高級リゾートとして知られるようになった。モレッティ氏が経営する五ツ星ホテル“ラルベレータ ルレ & シャトー”は、その中でも最高の一軒だ。週末ともなれば、州都ミラノから、癒やしを求めるセレブたちが続々とやってくる。

 貴族の館を改造したというホテルはまるで迷路のような作りで、そこかしこにテラスやラウンジが設えてある。丁寧に手入れされた庭はそのままワイン畑へと繋がっており、まるでワイナリーのオーナーになったような気分を味わえる。宿泊者たちは思い思いの場所で、ワインを片手にくつろぐことができるのだ。

「この土地の“テロワール”をもっと知ってもらいたかったのです。だからホテルを作って実際に滞在してもらおうと思いました。料理とスパは特に充実させています。デトックスのプログラムを受けていただくと、1週間で5kgも痩せる方もいます。世界中から有名な方がいらっしゃいますよ」

 レストランで注目されているのは、本場ナポリの有名ピザ職人、フランコ・ぺぺが監修する“ラ・フィリアーレ”であろう。ここでは前菜からメインまで、すべてピザを使ったフルコースが楽しめる。これだけを目当てにミラノからやってくる人も多いらしい。

 美しい風景、旨い酒、そして豪華リゾートホテルが揃うフランチャコルタは、ワイン生産地としてだけではなく、ミラノから気軽に来られる“リトリート”としても脚光を浴びているのだ。

本記事は2019年9月25日発売号にて掲載されたものです。
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THE RAKE JAPAN EDITION issue 30

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