FIND THE PERFECT WATCH

日本橋三越で見つける技巧派時計

March 2020

約60ものブランドを取り揃える日本橋三越本店のウォッチギャラリーから、クラフツマンシップの光る珠玉の6ブランドを厳選。
芸術作品ともいえる美しきタイムピースをとくとご覧あれ。
text norio takagi photography jun udagawa event photography tatsuya ozawa
issue10

ベンチャー・コンセプト ベンタブラック垂直に並んだカーボンナノチューブが光を捉えて逃さない、超黒色素材ベンタブラックでダイヤルを製作。漆黒の闇に、ゴールドの針が浮かぶ。搭載する自社製ムーブメントは、チラネジ付きのテンプが毎時1万8000振動を刻む通好みなロービート機。裏蓋側に72時間のパワーリザーブ計を装備する。手巻き、18KRGケース、39mm。¥2,950,000 H.Moser & Cie. / Nihombashi Mitsukoshi(日本橋三越本店 Tel.03-3241-3311)

H.MOSER & CIE.H.モーザーダイヤル製作の巧者が世界一のブラックを操る 創業者は、19世紀に時計師としてロシアで大成功を収め、故郷であるスイス・シャフハウゼンの産業発展にも寄与した実業家である。

 今も町の名士と慕われる人物のブランドが、2005年に再興。高精度な自社製ムーブメントと美しい外装で、時計ファンを魅了している。

 フュメと呼ばれるカラーグラデーションのダイヤルを得意とし、その美しさが際立つよう、インデックスもブランドロゴもない「コンセプト」で、高級時計の新たなスタイルも提示。

 これはその最新作。フュメではなく世界一黒い物質ベンタブラックでダイヤルを仕立てた。

 光を99.965%吸収するダイヤルは、まさに漆黒で、見つめ続けると闇に引き込まれそうな感覚に陥るほど。唯一無二の黒を、腕に纏える。

本記事は2020年3月25日発売号にて掲載されたものです。
価格等が変更になっている場合がございます。あらかじめご了承ください。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 33

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<本連載の過去記事は以下より>

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