August 2020

FIND THE PERFECT WATCH

日本橋三越で見つける本格時計

日本橋三越本店「ウォッチギャラリー」が、2019年8月21日にリフレッシュオープン。
約2.5倍に拡張された売り場に集う60ブランドの中から、珠玉の7モデルを厳選した。
text norio takagi photography jun udagawa
issue10

クラシック トゥールビヨン
エクストラフラット オートマティック 5367(左)
しっとりとした質感のホワイトダイヤルは、グラン・フー・エナメル製。アラビア数字や針の意匠にも、初代ブレゲの美意識が宿る。トゥールビヨンが備わるムーブメントの厚さはわずか3mm。リング状のローターは機械の外周で回るペリフェラル式で、自動巻きの薄さを極めた。さらにゼンマイとそれを収める香箱も改良し、薄型で80時間駆動を実現した。自動巻き、18KRG ケース、41mm。¥15,970,000 Breguet / Nihombashi Mitsukoshi(日本橋三越本店 Tel.03-3241-3311)

ヘリテージ 5400(右)縦横両方向にカーブを描くトノー型ケースが、優美な立体感を表す。ダイヤルもローマ数字やチャプターリングが立ちあがるように、立体的に製作。ケース同様2方向に湾曲したダイヤルにギヨシェを手彫りできる技術を、今のブレゲは持つ。複数の模様を使い分け、時刻表示やクロノグラフの各表示を切り分けるのも、初代からの伝統である。自動巻き、18KWG ケース、42×35mm。¥4,770,000 Breguet / Nihombashi Mitsukoshi(日本橋三越本店 Tel.03-3241-3311)

創業者の遺志を継ぎ、精巧さと美観を極めるBREGUETブレゲ ブレゲの歴史は1775年、パリのシテ島に始まる。創業者は、稀代の天才時計師と謳われるアブラアン-ルイ・ブレゲ。彼が発明、あるいは進化させた時計機構と意匠、そして革新性を今のブレゲは受け継いでいる。

 例えば左のモデルが搭載する複雑機構トゥールビヨンも、初代による発明のひとつ。それをわずか7.45mm厚という、究極の薄さに革新してみせた。右のモデルのダイヤルを彩る、繊細なギヨシェ彫りの技巧を初めて時計に用いたのもまた、初代ブレゲであった。

 19世紀当時と同じ手動旋盤を用いて彫り進めるブレゲのギヨシェは、模様を織り成すラインのエッジが際立ち、審美性が一層高い。精巧さと美観の高次元な融合こそ、初代から受け継ぐブレゲの矜持だ。

本記事は2019年11月25日発売号にて掲載されたものです。
価格等が変更になっている場合がございます。あらかじめご了承ください。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 31

1 2 3 4 5 6

Contents

<本連載の過去記事は以下より>

日本橋三越で見つける技巧派時計

日本橋三越で見つける 実力派時計