Friday, April 10th, 2020

紳士が愛する名作服地 03

DORMEUIL “15.7”
ドーメル“15.7”(フィフティーン ポイント セブン)

フランスの名門ドーメルが
生んだ極細原毛の8プライと6プライ
15.7マイクロンの原毛を用いながら
あえてそれを強撚の8プライと6プライの糸にして織り上げた、
三越伊勢丹別注のスペシャル服地「15.7」。
これが今、世界の一流を巻き込み始めた。
text & photography(italy) yuko fujita
photography jun udagawa styling akihiro shikata

15.7マイクロンの原毛を8プライのハイツイスト糸にして織り上げた三越伊勢丹別注の「トラベラー」は、2019年秋冬に登場。今春夏は同じ15.7で6プライを用意した。こちらはトラベラー機能に加え、ナノ加工による撥水性も備えていることから、武装を意味する「アーマード」と命名。

 1842年に創業したフランスの名門ドーメルの企業ポリシーは“トラディション&イノベーション”。1922年に発表した耐久性と快適性を備えた世界初のスポーツ用服地「スポーテックス」を筆頭に、57年に発表した同じく世界初のモヘア高混紡服地「トニック」、58年の春夏用モヘア「スーパーブリオ」など、これまでに数々の名作服地を世に送り出し、旋風を巻き起こしてきた。今も常にドラスティックに新しいことに挑戦し続けている。

 今、そのドーメルでビスポーク好きのハートを鷲摑みにしているのが、三越伊勢丹が別注をかけている「15.7」(スーパー160sに相当する15.7マイクロンの原毛を使用しているからフィフティーン ポイントセブン)。

「15.7」自体は2プライのものが通常のコレクションにラインナップされているが、三越伊勢丹の別注による15.7は、まず60番手の双糸どうしを撚り合わせて4プライにし、さらにその糸どうしを撚り合わせて、あえて強撚の15番という太番手の8プライにして織り上げたもの。

 ナチュラルなストレッチ性を備え、シワになりにくく、シワ回復力にも優れるとあって、「トラベラー」と名づけられ、大ヒットを記録した。さらに今春夏の新作では、6プライのバージョンが仲間に加わる。こちらはナノ加工を施し、撥水機能も備えていることから「アーマード」の名がつく。

 往年の紳士がトニックやスーパーブリオでこぞってスーツを仕立てたように、今日では、8プライや6プライの「15.7」という、この革新的な生地でスーツを仕立てることこそが、紳士たちにとっての粋なのだ。

本記事は2020年1月24日発売号にて掲載されたものです。
価格等が変更になっている場合がございます。あらかじめご了承ください。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 32

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Contents

<本連載の過去記事は以下より>

HARDY MINNIS “2PLY FRESCO” ハーディー・ミニス“2プライ フレスコ”

SMITH WOOLLENS “ABACUS” スミス・ウールンズ “アバカス”