2021 The RAKES of the Year

ザ・レイク・オブ・ザ・イヤー vol.2

April 2021

The Auteur
フリークスを愛する男
text wei koh

Paul Feig / ポール・フェイグ1962年、アメリカ・ミシガン州生まれ。南カリフォルニア大学映画芸術学部を卒業後、俳優や脚本家、監督とマルチに活躍。代表作は『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』(2011年)、『デンジャラス・バディ』(2013年)、『ゴーストバスターズ』(2016年)など。仕事中でも私生活でもスーツを着用する。

 あなたがこれを読む頃には、ポール・フェイグはインスタグラムライブで110回もパフォーマンスをしているだろう。ダンス、ユーモア、華麗なファッション、お酒を組み合わせた彼の世界は、“クアランティン・カクテル”として知られている。彼は言う。

「僕は役者だから、カメラの前に立って何かバカバカしいことをやってみようと思ったんだ。人々を笑わせて、悲惨な状況を忘れさせるためにね。僕はカクテルを作るのが得意だから、チュートリアルも入れようと思った」

 映画監督としてのポールは人種や性差における差別を否定してきた。それは洋服の分野にまで及んでいる。

「人々はスーツを着た男を見ると すぐに銀行家だと思うだろう? 超コンサバで、エリートで、排他的な……。しかし、それは違う。スーツ、カクテル、葉巻などは、人種、性別、性的指向、年齢に関係なく誰もが楽しむべきだ」

 ポールの心は、自身の高校生活をベースにしたTVコメディ『フリークス学園』を作った頃から、まったく変わっていない。だからこそ彼は大勢に好かれるのだ。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 39

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