WHALE PENIS LEATHER BOOTS

クジラのペニス革ブーツを作る

September 2020

photography natsuko okada

加工前のクジラのペニス革。細長いのが特徴で、長さは1.5m、幅は60cmほど。大きいものは、4mにもなるという。

特徴は“よく伸びる”こと 革としてみると、クジラのペニスは、面白い特徴を持っている。原皮は細長く、今回使ったものは長さ150cm×幅60cmくらいである。山口氏によると、大きいものでは長さ4mに達するものもあったという。表面はまるでスエードのように毛羽立ち、ざらざらしている。しかしこれは裏側ではなく表側である。一般的なスエードより、だいぶ毛足が長い。フォーマルよりも、カジュアルな靴に似合いそうだ。

「最大の特徴は、よく伸びるということです。一応“目”はありますが、どの方向にも偏りなく伸びる。その点では鹿革に似ています。すごくしなやかで、立体にしやすく、靴にするにはとてもいい素材です」と山口氏。

 この不思議な素材感を生かすために、デザインはシンプルなチャッカブーツを選んだ。もともと靴デザイナーであった山口氏がサラサラとデザイン画を描く。このシェイプは、山口氏のオリジナルで、サイドの切れ込みがキレイなR(アール)を描いているところが特徴だ。これによって無骨になりがちなブーツに、エレガントさが加わる。低めのアンクル、スリーアイレットとのバランスも抜群だ。

本記事は2020年7月27日発売号にて掲載されたものです。
価格等が変更になっている場合がございます。あらかじめご了承ください。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 35

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