THE DEVIL WEARS KENT,HASTE & LACHTER

ケント・ヘイスト & ラクターを着た悪魔

July 2020

text nick foulkes photography kim lang

 チェックの幅に関しては、錆色は垂直方向には5プライ、水平方向には3プライとした(比率はできあがったとき、腰にフラフープを巻いているように見えないよう工夫した)。ブルーは3×2とした。

 以前の『カントリーライフ』のウエイトを復活させたかったのだが、さすがに21オンスの生地は、羽織ることすら難しいという理由で思いとどまった。しかし、16オンスを下回るつもりはなかった。スーパー云々などという軟弱な生地は、私の辞書にはないのだ。もしツイードに限っていえば、ブレジグットに賛成票を入れただろう。

 結局、ピカデリーのサックヴィル・ストリート、ロンドン西部のシェパーズ・ブッシュ、スコティッシュ・ボーダーズのホーイックの間を5カ月間往復した。16のサンプルを作り、郵便局へ毎日のように通った(正確な張りやコシや強度を伝えるためには、デジタル画像は役に立たない。少なくともそれは、私がハドンとスヤンバに言い放ったことだ)。

できあがった“悪魔の”ツイード そしてついに完成の日がやってきた。1枚の布が届き、私はすぐに9ピースのシューティング・スーツをオーダーした。ジャケット、ウエストコート、サスペンダー式で折り返しが付いたトラウザーズ、スラントカットされたサイドアジャスター付きトラウザーズ、ニッカーボッカーズ、シューティング・ウエストコート、キャップ、そしてふたつのシューティング・バッグだ。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 34
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