THE DEVIL WEARS KENT,HASTE & LACHTER

ケント・ヘイスト & ラクターを着た悪魔

July 2020

text nick foulkes photography kim lang

できあがった布地にニック・フォルクスの型紙を当て、線を引き、カットアウトしているテリー・ヘイスト氏。ふたりの協業は過去25年間にもわたる。ストライプの微妙なプライ数の差に注目。

防弾ツイード 私は、ツイードのデザインについては、少々心得があると思っている。25年ほど前に、『カントリーライフ』誌と共同で、さまざまなツイードをデザインしたことがあるのだ。そのときは、モスグリーンに、ヘザーグレイのウインドウ・ペーンのオーバーチェックを入れたものと、同じパレットを使った、もう少し手の込んだグレンチェックを作った。驚いたことに、重さはそれぞれ約21オンスと17オンスというヘビーさだった。

 遠い昔、環境活動家、グレタ・トゥーンベリが登場する前の時代、英国の冬の寒さは厳しかった。そこで屋根用のフェルト地よりも少しだけ扱いやすい程度の、弾丸も防げるほどの生地を使ったスリーピースのスーツさえ、提案することができたのだ。

 これらのツイードは老舗ミル、ハンターズ・オブ・ブローラに注文され、テリーがオーダーメイド部門を開設したばかりのハケット ロンドンで仕立てられた。

 1990年代後半に、テリーがハンツマンに移ったとき、私はそこの地下に散乱していたヴィンテージツイードのコレクションに目を奪われた。ペーパーバックの本ほどのサイズの、ウインドウ・ペーン・チェックが延々と続いていた。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 34
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