SISTERS OF PROVIDENCE

神の手に導かれた姉妹、ジャッキーとリー

March 2020

issue10

ロンドンでのリーとジャッキー(1970年頃)。

 これに刺激されたカポーティは、オナシスと結婚するつもりだったリーは姉に嫉妬していると非難。さらに写真家ピーター・ビアードと彼女の別れをこき下ろしたり、実業家との不安定な婚約関係を貶したりした。

 リーは無言を貫いていたが、友人らは内々にはカポーティの非難がもっともらしいことを認めていたという。

 生涯にわたって行動の自由を追求してきた姉妹の姿勢は、晩年になっても変わらなかった。ジャッキーは1994年に非ホジキンリンパ腫で亡くなった。リーはジョルジオ アルマーニのPRエグゼクティブを務め、3度の離婚を経験し、2019年2月にニューヨークの自宅で亡くなった。

 彼女は2003年に『Happy Times(原題)』という自伝を著しているが、華やかで葛藤に満ち、世間の注目を浴びた彼女と姉の人生の真実は、自伝のタイトルより少しだけ複雑かつ多義的だった。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 31
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