SIGMA AIZU FACTORY VISIT by MARK CHO

シグマ会津工場探訪記:日本が誇る世界の「眼」

December 2022

text yoshimi hasegawa
photography daisuke akita

山木和人氏(左)とマーク・チョー氏(右)、ともに興味を持つ光学機器、メンズウェア、時計と話題は尽きない。創業者の遺志を受け継ぎ、工場内の全機械は青の塗装で統一。

チョー氏「デザインに関しても、シグマの企業理念を表す規律あるデザインで一貫している。性能ばかりでなく、レンズを操作するときの質感や内外装の美しさ、レンズにひとつひとつ手で印刷されたタイポグラフィ、カメラに採用している独創的な形状、整然とした工場や美しい本社新社屋など、細部に至るまで、すべてが山木さんと父である創業者の山木道広氏が仕事に打ち込まれてきた結果です」

山木氏「創業者である父は会社全体に強い影響力がありました。二代目の私がそれを越えることはできない。父の遺志を継ぎ、短期の利益拡大ではなく、持続的な事業経営を行い改善していくことが次の世代である私の使命と思っています」

チョー氏「創業者の情熱や哲学、それがシグマの礎となって、山木さんの原動力になっている。日本のクラフツマンシップに長けた企業の多くは、今までブランディングを重視していなかったように思います。対してシグマは独自のブランド価値を持つ、日本を代表するメーカーになる可能性がある。今後のシグマに非常に期待しています」

山木氏:ジャケットとトラウザーズはストラスブルゴ大島崇照氏のビスポーク。靴はエドワード・グリーン。工場では父から受け継いだオメガ・スピードマスターを着用。1964年製造開始4代目Cal.321搭載の希少モデル。

チョー氏:アスコット・チャンのサファリジャケット、靴はYOHEI FUKUDA。時計はA.ランゲ&ゾーネ1815のムーンフェイズ付き限定モデル。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 48
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