February 2023

MASTERPIECES OF FABRIC BY BATAK

バタク中寺 広吉氏が選び抜いた名作生地図鑑

ビスポーク・テーラーbatakを率いる中寺広吉氏といえば、服飾業界きっての生地通で知られている。30年近くにわたりテーラー業を営み、手がけた服地は文字通り数え切れない。氏がファブリックを選ぶ基準はひとつ、「しっかり育っていく」こと。着込んでいくほどに、味わい深くなる服地を愛してやまない。となれば、品揃えは英国のトラディショナルへと傾いていく。現在batakには、50ブランド、230冊以上ものバンチ(生地見本帳)が常備されているが、その中から「絶対的名作」といえるものをセレクトしてもらった。どれも一生の伴侶となりえる逸品ばかりである。
photography natsuko okada(P1メインカット), ryoichi yamashita

中寺 広吉 / Hiroyoshi Nakaderaバタクのオーナー兼モデリスト。1965年富山県生まれ。1994年テーラーとして独立、工房を構え、1999年ビスポークテーラー「batak」を開店。2003年よりメイド・トゥ・メジャーのスーツブランド「batak House Cut」を展開し東京と大阪に出店。現在は「batak」にブランドを統合し、本格的なクラシックスタイルを一貫して作り続けている。紳士服に対する膨大な造詣と、デザイナー的美学を持つテーラーとして知られている。

左(スーツ):どっしりとした風合いを持つ英国フォックス ブラザーズのフランネルは名作中の名作だ。着込むほどに、その風合いを増していく/右(ジャケット):フォックス ブラザーズは、春夏用の生地でも評価が高い。

左(コート):ツイードといえば、ダブリュー・ビル抜きには語れない。ラグランスリーブの軽快な仕立てで楽しみたい/右(フォーマル):英国生地の本場ハダースフィールドを代表する銘柄テーラー&ロッジのバラシアは、フォーマルになくてはならない生地だ。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 48
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