January 2023

HERMÈS BESPOKE OBJECT

ちょっと特別なエルメス Vol.4
自分だけのシュプールを描く

エルメスのビスポーク部門“オリゾン”からユニークなアイテムを紹介するシリーズ。エルメスが手がけると、スキー板はアートへと昇華する。
All Photo by © Pauline Devès, Studio Rouchon

20年以上にわたり、さまざまな分野で活躍するアーティスト、エヴァン・ヒーコックスがデザインしたスキー板。彼は文字を回転させたり変形させたりするタイポグラフィー・ペインティングの第一人者だ。スケートボードのグラフィックを数多く手がけていることでも知られている。All-Mountain Ski ¥2,145,000(予定価格)※国内では《シュヴァル・パンク》柄のみ発売予定。 Hermès

 欧州のセレブリティが愛するウィンター・スポーツといえば、何をおいてもスキーである。1950~60年代には、サンモリッツやグシュタードといったアルプスのリゾートに数多くのジェットセッターたちが集まっていた。THE RAKEの名前の由来となったジャンニ・アニェッリを筆頭に、ギィ・ド・ロスチャイルド、プリンス・アルフォンソ・ホーエンローエ、ギュンター・ザックスなど、貴族やビリオネアが毎シーズン美しい女性を伴って現れた。

 彼ら彼女らは、昼はスキーを楽しみ、夜はパーティに明け暮れた。当然ドレスやアクセサリーも必要になるわけで、だからこういった欧州のハイクラス・リゾートには、ブランド・ブティックが軒を並べている。エルメスもサンモリッツとグシュタードに店を構えている。ゲレンデでは、エルメスのスカーフを首に巻いて、スロープを滑り降りるセレブの姿を、今も見ることができるのだ。

 エルメスのオーダーメイド部門“オリゾン”のユニークな商品を紹介する連載<ちょっと特別なエルメス>。第4回目は、エルメスのスキー板をご覧にいれよう。ひとつはアーティスト、エヴァン・ヒーコックスによるもの。HERMÈSの文字を幾何学的書体でカラフルに表現している。《クルー・ド・セル》の留め具や、《Hパッサン》などメゾンのシグネチャーが随所にちりばめられている。もうひとつは日本人デザイナー、野村大輔が手がけたもの。髪を逆立てた馬《シュヴァル・パンク》が描かれている。

 板を製作したのはアルプスに拠点を置くLa Fabrique du Ski社。平昌五輪でメダルを獲得したフランス代表、マリー・マルティノが愛用したことでも知られている。その性能は折り紙付きで、場所を選ばず、あらゆる雪質に対応するという。来る冬、あなただけのシュプールを描いてみてはいかがだろう?

(発売は2023年以降を予定)

新雪での高い接地面を実現するワイドエンド仕様。フロントチップの裏側にはエルメスのシグネチャーである《Hパッサン》が入っている。

スキー板に取り付けられたレザーバンドと《クルー・ド・セル》の留め具によって、2枚のスキー板を固定することができる。

日本人デザイナー兼イラストレーター、野村大輔による髪を逆立てた馬《シュヴァル・パンク》が描かれている。これはパンクとエルメスの世界観を融合させたものだという。彼は2010年のエルメス主催のネクタイコンテストでの受賞を機に、エルメスのメンズスカーフなどのデザインを手がけている。その着想は日本のマンガやアニメなどから取られている。Alpin Ski ¥2,068,000(予定価格)Hermès

本記事は2022年9月26日発売号にて掲載されたものです。
価格等が変更になっている場合がございます。あらかじめご了承ください。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 48

Contents

<本連載の過去記事は以下より>

ちょっと特別なエルメス Vol.1 夢を釣るためのフライフィッシングセット

ちょっと特別なエルメス Vol.2 愛を運ぶ自転車

ちょっと特別なエルメス Vol.3 最果ての海辺へと辿り着けるカヌー