SIGMA AIZU FACTORY VISIT by MARK CHO
シグマ会津工場探訪記:日本が誇る世界の「眼」
December 2022
photography daisuke akita
最も機械化が困難なレンズ側面の内面反射防止のために手作業で行う墨塗。
チョー氏「工場も素晴らしいですが、働いている人々も素晴らしい。あれだけの規模の工場でありながら、工場内に山木ファミリーの影響を強く感じました」
山木氏「10年前に父が亡くなり、そのときに私が父の跡を継ぎました。大学卒業後に入社したので私自身30年近く働いていますが、工場を訪れた方は誰もが、今でも父の情熱を感じると言われます。会津工場は父が心血を注いで造ったもので、私もすべてのディテールに、今でも父の精神が生きていると感じています」
チョー氏「私も同感ですが、一方で、創業者の功績のみに注目するのは山木さんにとってフェアではないと思います。現行の製品、マーケティング、現在の企業の方向性と成功を見れば、創業者が10年以上前に成し遂げたものではない」
チョー氏の言葉通り、2012年に山木氏がCEOに就任後、シグマはSIGMA GLOBAL VISIONを発表。交換レンズをContemporary、Art、Sportsの3種類のプロダクトラインに統合すると同時に、社名のロゴマークなどCIに関するデザインを日本を代表するグラフィックデザイナーの佐藤卓氏、製品のデザインはプロダクトデザイナーの岩崎一郎氏に依頼。シグマの世界的なイメージ戦略はここから始まっている。
研磨後のレンズ。
手作業でfpの文字を入れる色入れ作業。