SIGMA AIZU FACTORY VISIT by MARK CHO

シグマ会津工場探訪記:日本が誇る世界の「眼」

December 2022

text yoshimi hasegawa
photography daisuke akita

SIGMA fp シリーズのマグネシウム部品加工。

 工場を訪れると、精密機器の組み立て、電子部品の実装やレンズ製造を行うエリア、絞り羽根のパンチ加工やシャフトの削り出し、ネジに至る微細部品製造エリア、別棟のマグネシウム加工エリアなど、全く異なる工程が存在していることが理解できる。

山木氏「当社はいわば町工場の集まりです。すべての製造工程を自社内で完結させた結果、今のような規模になりました」

チョー氏「そこが最も興味深い点です。服飾工場にはそれぞれ違う工程が集まっていますが、光学機器の工場がそうなっているのは意外でした」

山木氏「一般的な光学機器メーカーでは工程の多くは機械化されています。会津工場を訪問される海外の方はロボットを期待されていますが、いざ来てみると、どの工程にも人の手が掛かっていることに驚かれます。工作機械自体、それぞれ微妙に違い、メタルパーツ、工程、作るレンズによっても違います。熟練の従業員は機械を知り、素材の特性を知り、レンズ製作を知るエキスパートです。こうした人間でなければできない微調整、経験値に基づくクラフツマンシップがあってこそ、当社が求める水準の精緻な光学機器製造が可能となります」

 デジタルカメラが完全に主流となり、高解像、多機能化により、消費者が交換レンズに求める品質はさらに厳しく、より高い品質が求められている。

レンズ研磨。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 48
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