SIGMA AIZU FACTORY VISIT by MARK CHO

シグマ会津工場探訪記:日本が誇る世界の「眼」

December 2022

text yoshimi hasegawa
photography daisuke akita

マーク・チョー氏(左)に説明をする山木和人氏(右)。

チョー氏「最近の傾向としてラグジュアリー製品にはより強い製品特性、他にはない個性が求められています。必ずしも万人の需要に完璧に合う必要はありません。作り手の思想が反映された、特徴ある製品を富裕層は求めています。

 そうした意味で、35mmフルサイズセンサーを備えた世界最小、最軽量のミラーレスカメラ、SIGMA fpシリーズは非常にユニークなカメラです。新たに加わったfp Lは6100万画素となり、交換レンズとともに、シグマの企業理念を示す代表的な製品でしょう。

 最近、アーモリーのYouTubeチャンネルでは動画を撮ることが多いのですが、シグマのContemporaryレンズはコンパクトなセットアップが可能なことから、大変気に入っています。ピント合わせが早く、静かで、画質や色合いもとてもよい。24mmをジンバル付きカメラに装着してほとんどの映像に使っていますし、45mmは汎用性が高く、65mmは被写体に注意を集中したいとき、威力を発揮します。半身や全身のポートレートに実用的だからです」

山木氏「当社にとってはレンズ開発同様、最新のfpシリーズや世界唯一の垂直分離方式Foveonセンサー搭載のQuattroシリーズなど、1976年よりカメラ開発を行っています。カメラとレンズ、双方を生産することは、写真を撮る本質的な楽しさや喜びを提供する、必要不可欠な要素だと考えるからです」

 今回案内いただいた会津工場は敷地面積約8万平方メートル。多くの企業が海外生産を行う中、一部の加工を除くレンズ研磨、プラスチック部品成形、塗装、基盤実装、組み立て、周辺部品製造、金型製造に至るまで、この地に全工程が集約されている。

チョー氏「まず何よりも、この会津工場で非常によく垂直統合(一貫生産)されていることに感銘を受けました。ほとんど外注せず、すべての製品を自社で開発・製造していますね」

組み立て工程。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 48
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