“SARTORIA RAFFANIELLO”に聞いた
初めてのフルオーダー成功のコツQ&A
April 2024
そこで入門者が気になるポイントを人気テーラーに尋ねてきた。
photography makoto koike
東 徳行 / Noriyuki Higashi1979年生まれ。芸術大学で服飾を学び、リングヂャケットに7年勤務。同僚だったチッチオの上木の規至氏がナポリ修業後に仕立てたスーツに衝撃を受けて渡伊を決意し、アントニオ・パスカリエッロに師事。帰国後「サルト ドメニカ」としてスーツ作りを始める。2017年、師匠から授かった「ラファニエロ」の名で独立開業。
Chapter 01
オーダーに臨む前に知っておきたいこと
Q1:フルオーダーならではの特徴は?
A:作り手であるテーラーがお客様と直に接し、その方が求めるイメージを服作りへダイレクトに反映できることです。メイド トゥ メジャーの場合、テーラーやフィッターが汲み取ったお客様のイメージを製作者に伝えることで要望を形にしていくのが一般的。対してフルオーダーではテーラー自身が製作も担当するため、お客様の体型や趣味嗜好を思い浮かべながら、一着一着に創意工夫を凝らして仕立てます。これが大きな違いですね。
Q2:手縫いの魅力とは?
A:第一に見た目・着心地の柔らかさですね。特に肩周りは顕著に違いが表れます。私は袖ぐりを縫うとき、表に見える上の方はしっかり密に、 の下あたりは緩く縫って動きやすいよう工夫しているのですが、これも手でないとできません。また、ラペルのステッチなどは手縫いのほうがギリギリ端まで攻めて縫えるため、より美しく仕上げることができます。
Q3:自分に合ったテーラーはどう見つける?
A:まずはいろいろなテーラーのSNSなどをざっくりと見てみてください。ピンとくるところが見つかるはずです。そうしたら、実際に足を運んでテーラーと話してみる。オーダーは人対人ですから、人間的な相性も大切です。そこでサンプルなども見つつ検討していくとよいでしょう。
Q1:納品待ちのスーツやジャケット。フルオーダーの服はごく小規模の職人チームで製作されるため、マスターテーラーが一着一着に目と心を配りながら、注文主のためだけの服を作っていく。
Q2:芯地にステッチを入れて立体的な胸周りを形作っているところ。サルトリア ラファニエロのフルハンドスーツはこの工程も手縫いだ。一般的な出来合い芯を使わず、服に合わせて手作りの芯地を製作している。
Q4:下見だけの来店は迷惑?
A:いえいえ、しっかりその旨を伝えれば、どのテーラーも歓迎してくれるはずです。ディスプレイ用に完成品を置いてあるテーラーも多いですから、それを実際にご覧いただけると、写真ではわかりにくい部分も確認できるはずです。
Q5:下見のときもアポイントが必要?
A:予約制のテーラーでは、下見の際もアポイントが必要です。また、ご予約いただく際に「下見で」とおっしゃっていただけると、テーラーもそのつもりでお迎えできますから、ありがたいですね。
Q6:早く/ゆっくり作ってほしい
A:当店の場合、ゆっくり作るリクエストは全く問題ありません。納期を早めることは基本的に難しいのですが、やむを得ない事情があるときはご相談いただければと思います。混み具合によってご希望に沿えない場合も多いですが……。
Q4:サルトリア ラファニエロのドアを開けるとすぐに見えるのがサンプルのスーツやジャケット。下見だけのアポイントもOKなので、気になったら是非、実物をチェックしてみよう。