PAUL FEIG'S MIXED BLESSING

お洒落監督の流儀
―ポール・フェイグ―

August 2020

text tom chamberlin photography robert spangle

スーツ Anderson & Sheppard
タイ、ブートニエール both by Charvet
シャツ Anto of Beverly Hills
チーフ Penrose
バンダナ Hard Rock Cafe
メガネ¥24,800 Prada (ルックスオティカジャパン カスタマーサービス Tel.0120-990-307)
ハット Bates
アンティークのチェーン付き懐中時計 property of Paul Feig

好きが高じて造り出したジン ジャンルを軽々と超越するポールの姿勢は、監督業以外の活動にも及んでいる。今回撮影した本誌の写真で、アールデコ風の美しいデカンタに入ったジン「Artingstall’s」を彼が手にしている(P48)のに気づくだろう。彼は「Artingstall’s」のオーナーになったのだ。ミンハスの蒸留所と共同でお気に入りのスピリッツを造り、2019年にジン・バロンの称号を得ている。このジンは北米を中心に販売されており、酒造業に進出した芸能界の先達からもわかるように、果てしない将来性を秘めている。

「私は1930年代の映画を初めて見たときから、ジンに夢中です。最初は、ウィリアム・パウエルのようにクールな男が気ままにマティーニを飲んでいるシーンに魅せられ、ジンのビジュアルが好きになりました。それから、ジンで造られたものだけが本物のマティーニであることを知り、味を覚えて思いがさらに強まりました。ジンには星の数ほどフレーバーがあると知ったのもその頃です。

 好きなジンはたくさんあったけれど、本当に好きなブランドは見つかりませんでした。そこで、オリジナルを造ることにしたのです。一緒にやりたいと思ってくれる会社を探すのに何年もかかったものの、大成功した独立系の醸造所と蒸留所を所有しているラヴィンダー&マンジット・ミンハスにようやく出会いました。ふたりは私のライフスタイルを気に入ってくれて、一緒にプレミアムジンを造りたいと言ってくれました。それから2年の歳月をかけ、ボトルとラベルをデザインして、これができました」

本記事は2020年7月27日発売号にて掲載されたものです。
価格等が変更になっている場合がございます。あらかじめご了承ください。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 35

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